「北の山・じろう」時事問題などの日記

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あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”{ZAKZAK}

ZAKZAK
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連載:「日本」の解き方
あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”
2012.07.24
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120724/plt1207240710000-n1.htm
(全文引用)

 政府は「日本再生戦略」の原案を公表した。それは2020年までに環境や医療、観光など11の戦略分野で38の重点施策を掲げ、630万人の雇用を創るという政府の目玉の成長戦略だ。7月末までの閣議決定を目指しているという。

 11分野を具体的にいえば、グリーン成長戦略、ライフ成長戦略、科学技術イノベーション・情報通信戦略、中小企業戦略、金融戦略、食農再生戦略、観光立国戦略、アジア太平洋経済戦略、生活・雇用戦略、人材育成戦略、国土・地域活力戦略。これはほぼ全省庁の守備範囲だ。

 これだけ広範囲になると、「戦略」という名前がすたってしまう。戦略とは選択と集中が伴うものだが、政府のものは総花的で戦略の名に値しない。まるで、各省庁が予算獲得のために「一丁目一番地」(各省庁の優先政策事項)を束ねたものに見える。

 内容は明らかに各省庁役人の書いたものであるが、筆者は役人の書いたものイコール悪い政策とはみていない。ただし、この日本再生戦略はその内容がひどいので、それを指摘しておきたい。

 例えば、グリーン成長戦略と題し2020年までの目標として「50兆円超の環境関連新規市場、140万人の環境分野の新規雇用」をとりあげよう。

  市場規模の数字は付加価値ベースだ。環境省の地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ検討会では、温室効果ガス対策のために必要な国内投資額が、2020 年で33兆円と推計されている。また、2020年における海外需要、つまり環境保全技術の輸出分は12兆円とされ、合計の付加価値ベースで45兆円と新市 場の9割を占める。

 グリーン成長戦略とライフ成長戦略で合計100兆円の付加価値ベースの増加になっているので、これだけでもう実質経 済成長率2%は達成できる計算だ。ほかのものまで足し合わせたら、実質4%くらいの成長になってしまう。各省から言い値の数字を持ち寄るから、こういうお かしな全体図になってしまう。

 個別では一見もっともらしいことが、全体を見ると奇妙なことは雇用創出にもある。

 人口 減少の日本では雇用者数があまり増えない。となると、630万人の新規雇用を創出すると、別の産業で雇用者の減少になるだろう。630万人の雇用が創出さ れるということは、600万人くらいの雇用喪失が別の産業でありうるということになる。それはどのような産業なのか。政府原案では示されていない。そんな 産業はわかるはずがない。

 成長する産業としない産業が政府でわかるなら旧共産圏の計画経済は失敗しないはずだ。もし本当に政府が分かるなら苦労はない。

  ちなみに、グリーン成長戦略は、50兆円市場で新規雇用140万人。労働分配率が6割として、新規雇用者の平均年収は2100万円になる。どうして「日本 再生戦略」を書いた官僚が役所をやめて、そこに就職しないのだろうか。書いた本人はそのいい加減さを知っているからだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋 洋一)