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ひと:柳田実郎さん 核戦争防止国際医師会議の実行委員長
毎日新聞 2012年08月22日 02時20分(最終更新 08月22日 15時04分)
http://mainichi.jp/opinion/news/20120822k0000m070151000c.html
▼全文引用
1985年にノーベル平和賞を受賞したNGO「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)」(本部・米国)の世界大会が今月24日から3日間、広島市で開かれる。日本での開催は23年ぶり。「生の言葉で核の実相を伝えたい」と、プログラムに広島で被爆者を救護した経験がある医師の講演も盛り込んだ。
亡き両親と祖父母は、原爆投下直後の広島に入って被爆した。家族から悲惨な体験を改まって聞いた記憶はない。「『被爆2世』という言葉はあまり好きではないし、意識もしてこなかった」が、広島で生まれ育ち、核兵器廃絶への信念は自然と培われた。
広島の医療界は、60年以上にわたって被爆者医療の知見を蓄積してきた。北米に住む被爆者の支援などに広島県医師会の役員として関わり、10年9月にIPPNW広島大会の実行委員長を任された。準備に奔走する一方、県医師会に被爆2世医師の会を発足させ、世話人に就いた。「被爆者も被爆2世も高齢化が進む。次の世代に引き継ぎたい」との思いは強い。大会には医学生が参加するプログラムのほか、現在進行形の核被害である東京電力福島第1原発事故を巡る討議も設けた。
超大国による核戦争の恐怖が現実味を持って語られた冷戦は終わった。だが、人類は核の脅威に依然さらされている。
「IPPNWの活動は継続する意義がある。被爆地から、『反核の精神』という原点に回帰することを目指したい」【吉村周平】