「北の山・じろう」時事問題などの日記

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福島原発の101時間(5完)3月15日午前5時37分/怒鳴る菅氏、東電あぜん<河北新報>

河北新報
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【特集】福島原発の101時間
福島原発の101時間(5完)3月15日午前5時37分/怒鳴る菅氏、東電あぜん
2012年08月12日日曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1106/20120813_01.htm
▼全文引用

<「現場に行け」>
 経済界を代表する企業に日本の最高権力者が乗り込み、大声を張り上げた。前代未聞の事態だった。
 昨年3月15日午前5時37分。菅直人首相が東京電力本店で東電幹部を前にまくし立てた。「(福島第1原発からの)撤退なんかあり得ない。撤退したら東電は百パーセントつぶれる」「60歳を超えている会長や社長は現場に行け。俺も行く」
  首相はことし5月、当時の様子を「夫婦げんかより小さい声のつもりだった」と振り返った。だが、社内テレビ会議の映像には、手を振り上げて演説をぶつ首相 の後ろ姿が映り、興奮している様子が手に取るように分かる。東電幹部は身をすくめ、首相の激高が収まるのを待つしかなかった。
 演説は約10分で終わり、首相はいったん着席した。しかし、直後に立ち上がってマイクを持ち、幹部を次々と指さす。その後、別室で話し合うことになった。
 このやりとりは現場にリアルタイムで伝わった。首相の演説終了後、「やれやれ」という表情を浮かべる第2原発の作業員たち。第1原発吉田昌郎所長は頭をかいた後、椅子に座り直して現場指揮へと戻った。
 菅首相がいきり立ったのは理由がある。14日午後から2号機の状態が悪化して被ばくの可能性が生じ、東電は事故対応で必要な人員を除き、作業員を退避させることを検討。原子力安全・保安院などとの調整に入った。

<撤退中止命令>
 東電の姿勢は官邸には「原発からの全面撤退」と映った。「第1原発は手が付けられなくなり、第2原発も危ない」。首相は清水正孝社長を官邸に呼び、撤退中止を命じ、念を押しに東電に乗り込んだという。
 首相は同時に東電と政府の統合対策本部の設置を持ち掛けた。午前8時37分、首相が本店を後にする。勝俣恒久会長は机に額をこすらんばかりに頭を下げて見送った。
 統合対策本部ができて、政府は社内テレビ会議を使って原発の情報を素早く入手できるようになった。怒鳴り散らして現場をあきれさせた菅首相の来店だが、成果があったのも事実だ。(肩書はいずれも当時)
(末永智弘、勅使河原奨治)