「北の山・じろう」時事問題などの日記

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社説:衆院選きょう公示 政治に魔法の杖はない2012年12月04日<毎日新聞>

毎日新聞
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社説:衆院選きょう公示 政治に魔法の杖はない
毎日新聞 2012年12月04日 02時30分
http://mainichi.jp/opinion/news/20121204k0000m070084000c.html
▼全文引用

 衆院選がきょう公示される。戦後初の本格的な政権交代への熱気をはらんでいた3年前とは違って、いま日 本を覆っているのは既成政党への失望感と、政治そのものへの幻滅である。だが、政治不信が政治に対するシニシズム(冷笑主義)につながってはならない。少 しでも世の中を良くし、社会を一歩ずつでも前に進めていく政治をこの国に根づかせるためにはいったい何が必要なのか。それをじっくり考える機会にこの選挙 をしたいものである。

 まず確認しておきたい。この選挙は昨年の東日本大震災以降初の衆院選だということである。

 ◇未来を変える一歩に

 あの時、私たちが改めて気づかされたことがあった。それは共同体の助け合いの精神、支援してくれた世界 との絆、そして過酷な原発事故を体験したあとの真剣に模索すべき日本の未来の重さである。震災後の政治は復興に向け必死に努力している被災地と被災者、故 郷に帰れずにいる人たちに、希望を与えるものであったか。その審判を仰ぐべき衆院選であるとの自覚を、どの政党も候補者も持ってもらいたい。

 私たちが現実に目にしたのは、あれだけの震災があったというのに政局を優先して足の引っ張り合いに終始する政治だった。政権が自民党から民主党に代わったところで、政治が良くなったという実感はない。この選挙に臨む各政党はその反省から始めるべきではないか。

 ただし、だからといって政権交代に意味はない、政党には何も期待できない、と考えるのは行き過ぎだろう。私たちがこの3年間で学んだのは、政権さえ代われば社会は良くなるというのは幻想で、そんな魔法の杖(つえ)はないという事実だ。

 確かに、政党乱立の衆院選の背景には政権交代への幻滅がある。だがその幻滅が、権力のありかを変えればすべてが良くなるという新たな幻想にすり替わるだけでは、また同じことの繰り返しである。

 政党が互いに軽蔑しあうのではなく、建設的な議論を進め、合意を図る政治。一朝一夕に劇的な結果を求めず、漸進的に社会を良い方向に持っていく政治。そんな地道で健全な政治しか、私たちの未来を変えることはできない。その第一歩を踏み出す選挙であってほしい。

 そのためには、一人一人の候補者にも覚悟を求めたい。法律を作る作業を通じて、国民生活のあらゆる側面を左右する権力を行使できる存在が国会議員である。社会保障も将来のエネルギーも税金の上げ下げも外交も、国会議員とその中から選ばれた内閣が決定権を握る。

 小選挙区制は人より政策で選ぶ制度とされている。だが、政党の中身が政策に不勉強だったり、権力を前に 右顧左眄(うこさべん)したりする政治家の集団であっては困る。多数党になったからといって、その構成員である政治家の質が問われずにすむなら政治は堕落 する。政策はむろん大事だが、それを実行する個々の政治家の善しあしにも注意を向けたい。数におごらず、謙虚さを保ち、マックス・ウェーバーの言うところ の、政治「によって」生きるのではなく政治「のために」生きる政治家が誰なのか、それを見極めることがこの選挙では重い意味を持つだろう。

 ◇世界の目を意識せよ

 これは、主要8カ国(G8)という指導的国家群の首脳会合のメンバーを選ぶ選挙でもある。公的な場での 立ち居振る舞いや人格的洗練さを含め、党首たちの言動を世界が見ている。欧米からは日本の右傾化を懸念する声が強まっているが、世界が期待しているのはア ジア太平洋地域の平和と安定に貢献できる政党と指導者の登場なのである。

 世界からのメッセージを正しく理解することが必要である。米上院が先週、尖閣諸島日米安保条約の適用 範囲だとする修正条項を全会一致で採択した。これは中国へのけん制であると同時に、日本に安心感を与える代わりに問題を平和的に処理するよう求めたもので もあろう。「平穏な日中関係」と「日韓協調」がいかに重要かは、北朝鮮のミサイル発射予告で再び緊迫する地域情勢をみてもわかる。外交を人気取りに利用せ ず、国際協調路線を歩み、地域全体の秩序維持に責任ある行動をとることが日本の生きる道である。世界に開かれた論戦を望む。

 多くの政党が候補者を擁立するなど選挙情勢は混とんとしている。だがよくよくみるなら、国民の暮らしを 良くするための各政党の政策にはそれほど極端な違いがあるわけではない。であれば「決められる政治」ができるかどうかは、各政党の決断ひとつである。政党 のためでなく国民のための政治を実現することが、国政に参画する政治家に課せられた最低限の責務であろう。

 衆院選とは、480人の国会議員の首をいったん切って新たに選び直すことである。政党とは何か、政治家 とは何かをこの機会に改めて深く考え、次の時代を託す政治家を決める民主主義国家最大の政治イベントである。政治の主人公は私たち有権者であり、政治家は 有権者の代弁者だ。この当たり前の原則をじっくりかみしめて選択したい。
毎日新聞



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