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福井・敦賀原発:廃炉不可避 原電が公開質問状 「活断層」科学的根拠示せ 10項目を規制委に
毎日新聞 2012年12月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20121212ddm002040075000c.html
▼全文引用
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原子力規制委員会の有識者会合が日本原子力発電敦賀原発(福井県)敷地内の断層(破砕帯)を活断層の可 能性が高いと結論づけたことに対し、同社は11日、「科学的に十分な説明がされたとは言えない」として、判断根拠などの説明を求める公開質問状を規制委に 提出した。文書で回答を求めている。【和田憲二】
増田博副社長が規制委の事務局である原子力規制庁を訪れ、浜田康男社長名の質問状を名雪(なゆき)哲夫審議官に手渡した。
質問は▽敷地内を通る活断層「浦底断層」と2号機直下を通る「D−1破砕帯」が同時に活動したと判断し た根拠▽浦底断層とD−1破砕帯がどのように連動したと想定したか▽原電が今後行う予定の追加調査を待たず結論を出した理由−−など10項目。その中で、 同社は、独自の追加調査結果による総合評価を規制委に示し、改めて判断を仰ぎたいとの考えを示した。
提出後、東京都内で記者会見した増田副社長は、「真摯(しんし)にお答えいただけると思う」と規制委の回答に期待感を示した。安全を理由に廃炉を迫られた場合の経営への影響については「仮定の話。コメントを控える」と明言を避けた。
◇原電「廃炉へ時間稼ぎ必要」
日本原子力発電が原子力規制委への対決姿勢を鮮明にしたのは、運転開始から30年に満たない敦賀2号機 の廃炉を迫られれば、損失処理で多額の債務超過に陥り、会社の存続基盤を失いかねないためだ。現在の原子炉等規制法では費用分担を含めた廃炉手続きの規定 がない。そうした中での判断は、電力業界ばかりか経済産業省にとっても「寝耳に水」で、関係者からは「せめて時間稼ぎが必要」と悲鳴が上がっている。【丸 山進、宮島寛】
「規制委の判断に関する報道で当社を取り巻く環境は極めて厳しくなっている。冷静に科学的見地で議論をしたい」。同社の増田博副社長は11日、厳しい口調で規制委に判断の再考を求めた。
原発3基体制の原電にとって、敦賀2号機の廃炉は死活問題だ。経産省の試算では、同社が東海第2、敦賀 1号機を含む全3基を廃炉にした場合、設備の資産価値喪失などで2559億円の損失が発生、933億円の債務超過に陥る。運転開始後42年がたつ同1号機 と2号機だけの廃炉でも1000億円超の追加費用が発生する見通しだ。
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同社は廃炉に向け毎年一定額の積立金を計上しているが、12年末で300億円近くが不足。さらに原発関 連資産が無価値とみなされ、その分は株主である大手電力各社に負担が転嫁される可能性がある。各電力会社は費用の一部を電気料金の原価に算入できるため、 結局は電気利用者が負担することになりかねない。
電力業界では「政府の基準変更で廃炉を迫られるのなら、費用も国が負担すべきだ」との声もある。「まず は原電に出資する電力会社が負担するのが筋」(経産省幹部)という政府とは立場が異なるが、連結ベースで2250人いる従業員の扱いも問題になる。政府内 でも一部では、今後増える廃炉の専業会社として原電を活用する案や、将来的な原発国有化を見据えた受け皿にする案も取りざたされている。
仮に自民党政権が誕生しても、規制委の判断を軽視することは困難だ。同委設置にかかわる法案審議では自民、公明両党などが独立性の強化を求めた経緯があるためだ。
原電では、幹部が夜通しで対応策を検討。大手電力で構成する電気事業連合会も14日に社長会を開いて対応策を協議するが、「時間稼ぎ」以外の方策は見えていない。
◇質問状の対応「規制委で」
日本原子力発電が原子力規制委員会に提出した質問状への対応について、規制委事務局を務める原子力規制 庁の森本英香(ひでか)次長は11日の記者会見で、「質問への対応は規制委が決める」と述べた。2号機原子炉建屋直下の断層(破砕帯)を活断層の可能性が 高いと結論付けた現地調査団は判断を近く文書化するが、それを回答とする可能性も示唆した。【岡田英】
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