「北の山・じろう」時事問題などの日記

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この国と原発:第7部・メディアの葛藤/3 爆発の瞬間とらえた地元局 恐れ抱きながら共生<毎日新聞

毎日新聞
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この国と原発:第7部・メディアの葛藤/3 爆発の瞬間とらえた地元局 恐れ抱きながら共生
毎日新聞 2012年10月24日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20121024ddm002040043000c.html
▼全文転載


福島第1原発の爆発の瞬間をとらえたカメラ。見据える先(丘陵の向こう)に原発がある=福島中央テレビ提供
http://mainichi.jp/graph/2012/10/24/20121024ddm002040043000c/001.html

(1)

 昨年3月12日。東京電力福島第1原発1号機が爆発した瞬間の映像は世界を震撼(しんかん)させた。撮影できたのは福島中央テレビ(FCT、日本テレビ系列)だけだった。

                         

 「映像がなかったら、政府の発表はいつになっていたか分からない」。佐藤崇報道制作局長(55)はそう思っている。撮影成功の背景には「使った後は第1原発の方に戻しておいて」という12年前の佐藤氏の一言があった。

                         

 FCTは00年、同原発の南西17キロの山中にある送信所から同原発と福島第2原発が見えることから、 両原発を監視する遠隔操作カメラを取り付けた。前年のJCO臨界事故がきっかけだった。向きを変えてそれぞれの原発を撮影する仕組みだったが、佐藤氏は 「何かあるとすれば、老朽化した第1原発だろう」と考え、操作しない時は常に第1原発に向けておくよう技術スタッフに頼んだ。技術陣は約束を守り続けた。

                         

 このカメラは昨年3月11日の大地震で制御回線が壊れ、操作できなくなる。しかし、映像の回線は生きて おり、レンズが第1原発を向いていたから決定的瞬間をとらえることができた。原発に近い海岸沿いにあった他局のカメラとFCTの高画質カメラは、地震と津 波で機能しなかった。

                         

 14日の3号機爆発も撮影して放送した。しかし、15日の4号機の爆発は撮れなかった。視聴者から「なぜ放送をやめたのですか! 圧力ですか?」とメールが来たが、霧のせいだった。

(2)

 「原発を監視するのが仕事だ」。佐藤氏は後輩たちに、そう伝えてきた。後輩の松川修三(おさみ)報道部長(46)は県政担当記者時代、「小さなト ラブル」を発表する東電の記者会見では、常に疑う質問をするよう心がけていたという。「過去の経緯を知っている地元メディアだからこそ突っ込める部分があ りました」

                         

 ただ、佐藤氏は「私たちは原発と共生せざるを得ない環境で生きてきた。原発そのものの是非ではなく、地域問題として共生の在り方を考えなければならなかった」とも言う。

                         

 FCTは98年3月にNNNドキュメント「ガリバーの棲(す)む町~地域と原発の27年~」を全国ネットで放送した。福島第1原発5、6号機を抱える双葉町が、財政難から7、8号機の増設を求めるようになった背景を丹念に追った30分番組だ。

                         

 番組では、住民の女性が「発展はするんでしょうけど……原子力に代わるものがあればねえ」と複雑な表情で語り、最後は「かつて原発景気に沸いた町は、もう一度、ガリバーのもとに暮らす道を選ぶのでしょうか」というナレーションで締めくくられる。

(3)

 番組プロデューサーだった駒木根尚(こまぎねたかし)現メディア推進室長(56)はこう考えている。「原発の交付金に頼る構図に疑問を投げかけた のは、原発への潜在的な恐れがあったから。でも、国策を前に、地域の選択肢はほとんど閉ざされていた。『安全神話』を信じたいという意識は、我々取材する 側にも忍び込んでいたと思う」

                         

 自問自答する福島のテレビジャーナリストは彼らだけではない。

                         

 福島テレビ(FTV、フジテレビ系列)の鈴木延弘報道部長(44)が痛感したのは、圧倒的な知識不足 だった。例えばSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)に基づく放射性物質の拡散予測が初公表された昨年3月23日、FTVはロー カル枠での放送を見送った。

                         

 「どこまで信用できるのか分からなかった。どの専門家に聞いたらいいのかも知らなかった」

                         

 国会事故調査委員会は「規制当局が事業者の『虜(とりこ)』になっていた」と指摘したが、鈴木氏は「僕らも同じだと思う」と話す。テレビユー福島(TBS系列)の松浦五月報道部長(50)も「東電の情報に頼らざるを得ないのは、事故後も同じ」と言う。

                         

 県民196万人の生活をどう伝えるのかも手探りだ。FTVの鈴木氏は「変わらない暮らしもあるのに、東京のキー局からの要望はどうしても不幸な部分に焦点を当てるものになる」と話す。

(4)
 一方で鈴木氏が口にした言葉は、期せずしてFCTの佐藤氏と同じだった。「どんなことでもいいから、(多くのメディアに)とにかく全国に発信してほしい」。福島が「忘れられてしまう」という懸念がそこにはある。=つづく

この国と原発 アーカイブ2012年
http://mainichi.jp/feature/20110311/konokunitogenpatsu/archive/news/2012/index.html

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