「北の山・じろう」時事問題などの日記

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社説:1票の格差「違憲」 国会への厳しい警鐘だ<毎日新聞>

毎日新聞
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社説:1票の格差「違憲」 国会への厳しい警鐘だ
毎日新聞 2013年03月07日 02時31分
http://mainichi.jp/opinion/news/20130307k0000m070122000c.html
▼全文転載

                

 最高裁から「違憲状態」との指摘を受けながら小選挙区の1票の格差を是正せずに行われた昨年12月の衆院選について、東京高裁が「違憲」と断じた。「立法の不作為」に対する裁判所からの強い警告だ。                   

  1票の格差是正や定数削減など選挙制度改革は、党利党略が優先し進まなかったのが現実だ。自民党を中心に改革案の検討がやっと始まったが、もはや猶予は許 されない。国会は猛省し、今国会で必要な法改正など成果を示さなければならない。                 

 最高裁は11年3月、1票の格差が最大2.30倍となった09年8月の衆院選小選挙区の選挙について「違憲状態だった」と判断した。                  

 その際打ち出したのが、選挙区間の人口の最大格差が2倍未満になる区割りが合理的であり、47都道府県に定数1ずつを割り振る「1人別枠方式」は速やかに廃止すべきだとの考え方だった。                     

 だが、国会の動きは鈍かった。東日本大震災への対応が優先したとはいえ、昨年後半に至っても与野党の意見集約ができなかった。                

 野田佳彦前首相が衆院解散を表明したことを受け、昨年11月、格差「2倍未満」が一応実現する小選挙区 定数の「0増5減」と、「1人別枠方式」廃止を規定した法律が成立した。だが、新たな区割り確定には数カ月を要するため12月の選挙には間に合わなかっ た。結果的に最高裁判決後1年9カ月もの間、是正が放置されたまま選挙に突入し、1票の格差は2.43倍にまで拡大した。                   

 投票価値の平等は、「法の下の平等」を定めた憲法の要請だ。民意が正しく反映される選挙の仕組みを整えるのは当然で、国会の対応は司法の軽視だけでなく、有権者への裏切りと批判されてもやむを得ない。                      

 昨年の衆院選をめぐる1票の格差訴訟では「100日裁判」が実現し、今月中に他に15件の高裁判決が出る。これまで高裁・最高裁は、違憲判決を出しても、「公の利益」を考慮する「事情判決の法理」に基づき、無効判決を避けてきた。              

 6日の東京高裁判決も、昨年11月の「0増5減」法成立の動きなどを前向きにとらえ、無効判断を避けた。だが、国会の自浄能力はもはや限界との判断が働けば、無効判決が出てもおかしくない。                    

 「0増5減」は、都道府県の人口比を考慮しておらず、つじつま合わせとの批判はもっともだ。だが、「0 増5減」を前提に第三者機関の審議会が区割り作業中だ。ならばその区割りに基づく法改正を今国会に間に合わせるのが最低限の国会の責任だ。その先にある抜 本的な定数削減や制度変更は、第三者に任すことも検討すべきだと改めて指摘したい。

    

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毎日新聞
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1票の格差:衆院選違憲、東京高裁判決 判決要旨
毎日新聞 2013年03月07日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20130307ddm041010041000c.html

▼全文転載

                    

 <主文>

                         

 原告の請求を棄却する。ただし12年衆院選小選挙区東京1区の選挙は違法である。

                         

 <投票価値の平等>

                         

 憲法は両議院議員の各選挙制度の具体的決定を原則として国会の裁量に委ねているので、国会は他の事項も考慮して選挙制度を具体的に決定できる。

                         

 しかし、投票価値の平等は憲法の要求なので、裁量権の行使は、国会がこれを付与された趣旨に照らして合 理的なものでなければならず、選挙制度において現実に投票価値の不平等の結果が生じる場合には、国会が正当に考慮することのできる重要な政策目標ないしは 理由に基づく結果として合理的に是認できるものでなければならない。

                         

 <公選法規定の合憲性>

                         

 11年大法廷判決は、前回選挙(09年8月施行衆院選)の小選挙区の区割り基準のうち、1人別枠方式に係る部分は、遅くとも前回選挙時において立法時の合理性が失われており、これに基づく選挙区割りは投票価値の平等に反する違憲状態に至っていたと判示した。

                         

 本件選挙の区割りは前回選挙と同一で、1人別枠方式を含む区割り基準に基づき定められた。前回選挙当日 の小選挙区間の選挙人数の最大格差は1対2・304だったのが、本選挙当日には1対2・425に拡大し、格差2倍以上の小選挙区は前回45選挙区から72 選挙区に広がった。本件選挙時に区割りは投票価値の不平等を生じ、これは合理性が認められない1人別枠方式を含む区割り基準によるもので、被告は区割りの 合理性を基礎付ける事実を立証できていない。よって本件区割りは平等に反する状態にあると認めるのが相当。区割りが違憲状態となった後、憲法上要求される 合理的期間内に是正されない時は、区割りを定める規定は憲法に違反するものと評価される。

    

                    

 本件区割りについて国会が違憲状態と認識できたのは11年大法廷判決時と認めるのが相当。1人別枠方式 の廃止を反映する是正を行うには、定数の再配分と相当数の区割りの見直しを要することが予想でき、違憲状態の状況下では早期の是正が要請される。そして選 挙区画定審議会設置法の定める選挙区改定案作成、勧告のための期間(1年以内)、選挙区間の人口格差の「緊急是正法」の定める区割り改定案作成、勧告のた めの期間(6カ月以内)に照らせば、本件選挙時までに区割り是正が困難だったと認めるには足りない。国会における格差是正の取り組みについてもその経過が 停滞していることを考慮すれば、合理的期間が経過していないと認めることは相当でない。

                         

 違憲状態に至っていた本件区割りは11年大法廷判決時を起点として憲法上要求される合理的期間内に是正されないまま本件選挙に至ったと認めることが相当。本件区割りを定めた公選法の規定は違憲だったというべきである。

                         

 <本件選挙の効力>

                         

 区割り規定が違憲と判断され、これに基づく選挙を直ちに無効とした場合、当該選挙区の選出議員が存在し ない状態で規定の是正を行わざるを得ないなどの事態が現出する不都合が生じる。よって選挙を無効としないことによる弊害や、諸般の事情を総合的に考慮し、 事情判決の制度の基礎に存する一般的な法の基本原則を適用して選挙を無効としないのが相当か否かを判断するのが相当。

                         

 本件では11年大法廷判決で区割りの違憲状態が明示され、投票価値の平等の要請にかなう立法的措置を講 ずる必要がある旨の強い警鐘が鳴らされたにもかかわらず、是正が早急にされないまま本件選挙が施行されるに至った経緯は看過できない。しかし、国会におい て是正のための合理的期間を経過したと言わざるを得ないものの、11年大法廷判決の判示に従い区割りを是正する対応を示し、是正が期待できること、緊急是 正法で選挙区間の格差が2倍未満に是正されることが予定されていることなどの事情を合わせ考察すると、本件選挙を無効とせず、選挙の違法を宣言するにとど めるのが相当である。

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