「北の山・じろう」時事問題などの日記

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避難長期化 目立つ体調不良/高血圧、入所後発症3割<証言/焦点 3.11 大震災「河北新報」

証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」から全文転載

河北新報
トップ >http://www.kahoku.co.jp/
焦点/避難長期化 目立つ体調不良/高血圧、入所後発症3割
2011年05月21日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20110521_01.htm
▼全文転載


避難所生活が続く被災者(手前)の相談に応じる新畑さん=気仙沼市の避難所
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2011/20110521008jd.jpg

 東日本大震災による避難所などで、被災者の体調悪化が深刻化している。長引く避難生活に伴い従来から症状があった人に加えて、健康だった人が新たに発症 したり、症状を訴えたりするケースが目立ってきた。重い症状に進行するリスクも高く、心身のケアに取り組む専門家は、危機感を強めている。

脳卒中心筋梗塞の危険/ストレス、運動不足…

 「以前はほとんど病院にかかったこともなかったのに、震災後は血圧は上がるし、肩や手も上がらなくなった」
 避難所の名取市文化会館で先週末、70代の女性が訴えた。東北福祉大教授の戸恒和人医師は女性の健康状態を詳しく聞き、受診できる医療機関を案内した。
 同施設では200人以上が避難生活を送る。東北福祉大、東北大のチームは4月上旬から週2回、血圧測定と医師による健康相談を続けている。
 東北福祉大保健看護学科の学生と教員らが、避難者を巡回して血圧を測定。健康に問題があれば、相談室で医師の面談を受ける仕組みだ。戸恒医師は「避難所の高齢者のほぼ8割が高血圧。うち3割は震災後に発症しているとみられる」と分析する。
 高血圧は自覚のないケースも多く、潜在的な「患者」の早期発見も狙いとしている。
 震災そのもののショックに加え、集団生活のストレスや運動不足など、避難所生活は高血圧につながりやすい。食事もレトルト食品などで、塩分が多くなりがちだ。
 阪神大震災では、高血圧のため心筋梗塞の発生率が一時、通常の3倍、脳卒中は2倍になったとのデータもある。戸恒医師は「避難生活が長期化するほどリスクが高まる」と懸念する。
  戸恒医師と交代で避難所に入っている東北大大学院教授の今井潤医師は「高血圧予防には十分な水分摂取が重要。だが震災直後は特に、夜間に人の枕元を通って トイレに行くのがはばかれると、我慢する人が少なくなかった」と指摘。尿量が減ったことにより、尿路感染症になる避難者もいたという。
 避難生活が2カ月を越え「高齢者に対する継続的な健康チェックが欠かせない」と指摘する。

◎広がる精神的不安定/心のケアチーム「ため込むこと心配」

 全国の精神科医や保健師が連携し、東日本大震災の被災地で診療活動に取り組む「心のケアチーム」は、震災後に精神的に不安定になる被災者の数と層が震災から2カ月余りの間に広がったと感じている。
 気仙沼市の避難所に設けられた診療室。5月中旬、津波で親族を失った60代の男性はとつとつと語り始めた。
 「相手が自然だし、どうしようもない。これから先、独りでどうしたらいいか」。体が不自由で、避難後は津波を受けた自宅の様子も見ていない。不眠に悩まされているが、「薬には極力頼りたくない」と言う。
 「もう少し薬が欲しい時は言ってくださいね」。名古屋市の精神科医新畑敬子さん(47)は話に耳を傾け、体を気遣った。
 気仙沼市の避難所を回っているのは6道県の心のケアチーム。新畑さんは震災直後の3月に続いて2度目の派遣だ。「震災当時のことを話す人が増えた。当初のぼうぜんとした状態から、悲しみや現実に向き合う時期になり、心の変化が表れた」と話す。
 患者の顔触れも変わった。3月の時は既に病歴のある人が9割近くを占めた。「津波で家から薬が持ち出せなかった」「かかりつけ医が被災した」と、抗精神薬や睡眠薬の処方を求めた。今は病歴がなく、新規に「相談したい」と言う患者が3~4割に上る。
 個別相談・診療を受ける人の年齢層も3月時点は主に40~60代だったが、今は10~80代に広がった。
 新畑さんは「身の回りで仮設住宅の入居が進んだり、学校、仕事が始まったりして、自分だけが取り残されている不安を感じがちになることが一因」と指摘する。
 チームは5日程度で交代するが、患者の症状や話した内容は紙と口頭で引き継ぐ。
 過去の災害では、悲しみのあまり、怒りをぶつける被災者が目立った。今回は感情をあらわにする人はいないという。「1次産業従事者が多く、自然の力を受け入れる傾向が強いためだろうか。ため込むことの影響が心配だ」と語る。
 厚生労働省によると、岩手、宮城、福島3県に入る心のケアチームは20日現在で29チーム計125人。1日に計約300人の被災者と向き合っている。

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