「北の山・じろう」時事問題などの日記

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福島第1原発 「収束」には程遠い現実 03月20日(水)社説<信濃毎日新聞>

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福島第1原発 「収束」には程遠い現実
03月20日(水)社説
http://www.shinmai.co.jp/news/20130320/KT130319ETI090011000.php
▼全文転載


 2年前の原発事故の恐怖がよみがえる事態が起きた。

 東京電力福島第1原発で停電があり、使用済み燃料を冷却するシステムが停止したのだ。一時的なトラブルだとしても、「収束」とは程遠い現実があらためて浮き彫りになった。

 東京電力によると、停電があったのは18日午後7時前。1、3、4号機の使用済み燃料プール代替冷却システムなどの設備がストップした。菅義偉官房長官は19日、「最悪の事態に備え、冷却代替手段に万全を期す」と述べたが、不安を覚えた人は多かったのではないか。

 2年前の事故では、原子炉内の核燃料とともに、建屋内のプールの使用済み燃料が大きな脅威となった。とくに4号機のプールは水位が低下し、燃料が露出する危険性が指摘された経緯がある。

 第1原発には1号機~4号機のほか、共用プールに大量の使用済み燃料が保管されている。核燃料にとって冷却は生命線だ。一時的とはいえ、冷却機能が喪失するトラブルは軽視できない。東電にはしっかり原因を究明し、抜本的な対策を求めたい。

 停電の公表は、発生から約3時間後だった。東電側は「点検する場所が多く、現場確認に手間取った」と説明しているが、これでは信頼回復は難しい。迅速な情報開示に努めてもらいたい。

 2011年12月、政府は「事故そのものが収束に至った」と宣言した。だが、いまも第1原発をめぐる現実は厳しい。核燃料の冷却だけではなく、大量の汚染水の処理をどうするか、沿岸部や近海の水質をどう改善していくのか、難題が山積している。

 最大の課題は、原子炉内の燃料を取り出し原発施設を解体することだ。人類史上、例を見ない難題であり、スリーマイルアイランドやチェルノブイリの事故よりも難しい作業となるだろう。内外の英知を集めた官民挙げての取り組みが欠かせない。

 忘れてはならないのは、福島県を中心にいまも被害が続いていることだ。故郷から避難している福島県民は15万人以上にも上る。農林水産業や観光などが壊滅的な打撃を被り、「故郷喪失」の危機に直面している。

 安倍晋三首相は「福島の方々の生活に将来が見えなければ収束とは言えない」と国会で答弁している。事故処理に道筋を付けるとともに、福島県民の将来に展望を切り開く―。答弁を具体化する政治を安倍政権に求める。

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