「北の山・じろう」時事問題などの日記

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【社説】2013年6月27日 フクイチで考える(3) 技術の合意と社会合意<東京新聞 TOKYO WEB>

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【社説】2013年6月27日
フクイチで考える(3) 技術の合意と社会合意
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062702000121.html

▼全文転載

 

 水が廃炉を妨げる。

 損壊した原子炉建屋の中に、一日四百トンの地下水が流れ込む。

 1~4号機の建屋を取り囲むように土を凍らせて、地中に壁を構築し、地下水を遮る計画が進んでいる。遮水能力が高く、工期が短いのが利点という。しかし、地下水位が変化するなど予想外のリスクも否めない。

 今のところ汚染水は、フクイチの敷地の中にひたすらためておくしかない。正門をくぐると、大小の貯水タンクの群れがまず目に入る=写真、代表撮 影。すでに約千個あり、三十万トンを超える汚染水を抱え込む。八十万トン分の用地が確保されており、今後三年は貯水を続けられるというが、限界はやがて来 る。

 東電はことし三月、多核種除去設備(ALPS)の試運転を開始した。一系列で一日二百五十トンの処理能力があり、六十二種類の放射性物質を国の基準値以下まで除去できる。

 ところが、水とよく似た放射性トリチウム三重水素半減期一二・三年)だけは分離が難しい。水から水は除けない。一ミリリットルあたり六〇ベクレルという国の排出基準に対し、三〇〇〇ベクレル程度が残る。

 実はこのトリチウム、どの原発の冷却水にもわずかに含まれており、管理放出されている。フクイチでも、基準以下に水で薄めて海に流そうという声はある。しかし、それも難しい。

 「浄化して管理放出ができるという技術的合意と、そうしてもいいという社会的合意が得られるかどうかは別問題」と、案内してくれた東電フェローの小森明生さんは考える。「フクイチはもう、普通の原発とは思われていませんから…」と。

 フクイチだけのことではない。今は、国民の多くが原発と、原発神話を築いた人や機関に疑いの目を向けている。原発推進の経済人や政治家が目を背けているだけではないか。国民の視線に気づかなければ、社会的合意は成り立たない。 (飯尾歩)

 

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