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社説:川内原発の審査 再稼働には課題山積だ<毎日新聞 2014年03月>

毎日新聞
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社説:川内原発の審査 再稼働には課題山積だ
毎日新聞 2014年03月17日 02時30分
http://mainichi.jp/opinion/news/20140317k0000m070068000c.html
▼全文転載

 原発再稼働に向けた安全審査で、原子力規制委員会九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の審査を優先して進めることを決めた。新規制基準に適合する初の原発となることが有力になった。

 新基準は世界で最も厳しい水準にあるとして、政府は審査に合格した原発の再稼働を進める考えだ。しか し、規制委の審査のみを根拠にすれば、3・11以前の原発安全神話に逆戻りしてしまう。規制委が判断するのは原発が基準に適合しているかどうかだけで、合 格しても事故のリスクはゼロにはならないからだ。

 事故への備えはできたのか。事故が起きた時の責任を誰がとるのか。事故のリスクを許容し、再稼働に踏み切るのはなぜか。地元の同意をどう得るのか。政府は再稼働の手順を明示し、これらの問いに対する国民への説明責任を果たす義務がある。

 昨年7月に施行された原発の新規制基準では、地震津波対策が強化され、テロも含めた過酷事故への備えが義務付けられた。8電力会社の10原発17基が安全審査を申請している。川内原発1、2号機はこれまでの審査で初めて、地震津波の想定が妥当だと判断された。

 規制委は審査担当者を川内原発に集中し、評価結果をまとめた審査書案を作成、公表する。国民からの意見公募などを経て、審査を終える。完成した審査書は他の原発審査のモデルとしても活用する。

 新基準施行から8カ月が過ぎても合格原発が出ないことについては、電力会社ばかりか政府内にもいらだちがあるようだが、遅れは電力会社の準備不足も要因で、規制委は厳格な審査を徹底すべきだ。その際、自らの取り組みを国民に分かりやすく説明していくことは不可欠だ。

 審査後も再稼働に向けてはまだ課題が山積している。最も重要なのは事故に備えた避難計画の整備だ。

 川内原発では、昨年末までに原発30キロ圏内の9市町(人口約22万人)が避難計画を策定したものの、 訓練を重ねて実効性を確認したとは言い難い。高齢者など災害弱者への対応も十分ではない。これらは他の原発にも共通する課題だ。第三者機関による避難計画 の評価が必要ではないか。

 政府は再稼働について「立地自治体等関係者の理解と協力を得る」とする。だが、立地自治体に限らず、避難計画策定を義務付けられた30キロ圏の周辺自治体の意見を尊重するのは当然のことだ。

 安全審査に合格した原発を再稼働するばかりでは、安倍政権が掲げる「可能な限り原発依存度を低減させる」という目標は達成できない。

 政府は原発再稼働に際し、脱原発の目標を示すべきである。

 

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