「北の山 じろう」日記               (その心は?明日、天気にな~~れ!)

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早くも行き詰まった凍土壁問題 ~第79回小出裕章ジャーナル<ラジオフォーラム>

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早くも行き詰まった凍土壁問題 「これまでやってきた技術の枠組みをはるかに超えているわけです」~第79回小出裕章ジャーナル

2014年07月12日
http://www.rafjp.org/koidejournal/no79/

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小出裕章ジャーナル

石丸次郎:
さて、今日は凍土壁の問題について考えてみたいと思うんですが、小出さんは、この凍土壁についてはあちこちでずっと意見を述べてこられました。

福島第一原発の汚染水を止める為に、1号機から4号機までの4つの建屋を囲むように1.5キロに渡って凍土壁を作ろう、1550本の配管を地下30 メートルにまで打ち込んで、そこを冷却材で循環させて氷の壁を作って、この汚染水を食い止めようと、そういう計画でありました。

建設費がなんと国から研究開発、つまり税金ですね。320億円が国の負担で出されるということになっておりましたが、早速ちょっと問題が起こってる ようですね。まず、凍らないという。こういう問題が起こっておりますが、この辺についてまずちょっとご解説頂けますでしょうか。

小出さん
はい。凍土壁という、この技術ですけれども、もともとはトンネル工事とかで地下水が出てきた時に、ある部分的な場所を凍らせて工事を先に進めるというために使われてきた技術です。

しかし、今、石丸さんがきちっとおっしゃって下さいましたけれども、今回の場合には1.5キロというようなものすごい長さに渡って、そして深さも30メートルという所まで全部を凍らせなければいけないという、そういう事になっているわけです。

これまでやってきた技術の枠組みをはるかに超えているわけですし、たぶん様々な問題が出てく るだろうし、場合によっては出来ないだろうし。仮に出来たとしても、長期間持たせることは出来ないと私は思ってきましたし、そう発言もしてきました。まさ にその通りのことが今起きているということだと思います。

石丸:
なるほど。この凍土壁というアイディアですね。これ自体は当初出てきた時はどう思われましたか?

小出さん
私自身は2011年5月、つまり事故が起きて2カ月後に地下に遮水壁と私は呼びましたけれども、地下水との接触を断つような壁を作らなければいけないと発言をしたのです。

どうしても必要だと私は思ったので、その時に発言をしたのですけれども。でも、その私がイメージしたのは、鉄とコンクリートで壁を作るという、そう いうイメージでした。ただ、それを作ろうとすると1000億円のお金がかかってしまう。そして、6月に東京電力株主総会があったわけですが。

石丸:
株主総会直前だったわけですね。

小出さん
そうです。その株主総会を乗り越えることができないということで、結局は実現しなかったというものなのです。

以来、3年ぐらい経ってですね、ようやくに凍土壁という物を造るというようなことになって、6月の初めから工事が始まっている訳ですけれども。私はもうあまりにも遅すぎたと思います。

そして、本当であれば、先程も聞いて頂いたように、凍土壁はできないかもしれないし、できても長持ちはしないので、やはり、しっかりとしたコンクリートの壁を作る以外にないだろうと思います。

ただし、コンクリートの壁を作ろうとすると、かなり長期間の時間がかかってしまいますので、凍土壁であれば簡単にできるというのであれば、やってみる価値はあると私は思っていました。ただし、やはり難しいだろうなと危惧をしていたのですが、そうなってしまいました。

 

石丸:
今現状で、これは黄信号が灯り、そして、規制委員会の方でも「これ大丈夫なのか」と、「ダメなんじゃないか」という意見が出ているようですけれども、今後の展開というのはどういう風なことが予測されますでしょうか?

小出さん
はい。福島の事故というのは、人類が初めて遭遇している事故なのであって、たくさんのアイディアを集めながら一歩一歩やってみるしかないだろうと私は思います。  そのためには私自身もいくつもの提案をしてきまして、これまでは溶け落ちてしまった炉心をこれ以上溶かすことは、はやりダメだということで、ひたすら水を入れてきたわけです。

それが汚染水となってどんどん溢れてくるということは当たり前のことですし、3年間それを続けてきて、今どうにもならないところまで追い込まれているわけです。

石丸:
どうにもならない。

小出さん
はい。私は、まずはもう水を入れるということを止めるべきだという発言をもう既に1年近く前から発言をしていますし、水での冷却ではなくて、別の冷却方法に早急に切り替えるべきだと思います。

そして、今回の凍土壁の問題とも絡んでいるのですけれども、原子炉建屋の地下、タービン建屋の地下、そしてトレンチという地下のトンネルに溜まっている水をまずは早急に抜き出すべきだと私は思いますので、それも大変難しい作業なのですが、そちらも並行してやるということが必要だと思います。

更にですけれども、今、汚染水、地下水として流れてきている水が汚染水と混ざり合っているのですけれども、その地下水として流れてくる水のたぶん大部分は、敷地に降っている雨だと思いますので、その雨を遮断する。

つまり、その敷地全体を舗装するとかですね。場合によっては、私は敷地全体に屋根を造るということでもいいと思いますけれども、雨の流入を防ぐということはかなり効果があると思いますし、様々な方策を組み合わせながら、この問題を乗り越えるしかないだろうと思います。

石丸:
はい。この凍土壁の工事にせよ、あるいは鉄とコンクリートで根本的なもっと頑丈な遮断壁を造るにせよ、これは、でも現場での作業が必要になりますから、作業員の被ばくが本当に心配ですよね。

小出さん
そうなんです。石丸さんが今おっしゃってくれた通りであって、福島第一原子力発電所の敷地の中は、もう放射能の沼のような状態になっているわけで。

石丸:
放射能の沼ですか?

小出さん
はい。という訳で、どんな作業をしても被ばくをしなければいけないということになっている訳です。で すから、「ちゃんとした作業をしろ」「ちゃんと対策を取れ」と要求すればするだけ、労働者の被ばくが増えてしまうことになりますし、その労働者というの は、東京電力の社員ではなくて、下請け、孫請け、そのまた下請け、孫請けというような、本当に社会的な底辺で苦しんでいる労働者達がまた被ばくをさせられ てしまうということになるわけです。私としては大変苦しい状態にあります。

石丸:
はい。本当にもどかしい。誰かが犠牲にならないと、この汚染水の問題も前進させられないという、そういう状況にあるということですね。

小出さん
そうです。

石丸:
小出さん、どうも今日はありがとうございました。

小出さん
はい。ありがとうございました。


▲転載終わり

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