東電中期計画 電力政策の矛盾露呈 <SankeiBiz>
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東電中期計画 電力政策の矛盾露呈
(1/2ページ)2012.11.8 01:28
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▼全文引用
東京電力が経営再建計画の見直しを訴えたのは、政府の責任をあいまいにしたままの原発事故対応が限界に達しつつある ためだ。国庫負担を抑えたい政府は、東電を民間企業として存続させながら、賠償や廃炉費用を稼がせるシナリオを描いた。だが、その前提となる料金値上げや 原発再稼働は当初見通しから乖離(かいり)。政府に経営再建を託された社外取締役らによる中期経営計画はこうした政策のほころびを露呈した形だ。
「前提が崩れつつあることはご承知の通りだ」。数土文夫取締役は会見で、今後10年の経営方針を定めた総合特別事業計画を半年足らずで見直すことになった理由をこう述べた。
1兆円の公的資本注入とともに政府が認定した事業計画では、平成25年度からの柏崎刈羽原発の再稼働を想定した。だが、その後の「原子力ゼロ政策」や原子 力規制委員会の発足の遅れで見通しは狂い、25年度中の再稼働は難しくなった。再稼働がなければ、25年度の東電収支は、計画から3千億円程度悪化する。
さらに料金値上げでは、「消費者目線」の政府査定により上げ幅が圧縮され、年840億円の減収となった。東電は年1000億円の追加コスト削減で穴埋めす るというが、めどは立っていない。今年度上半期の自主退職者が前年同期の2倍近くの約350人にのぼっており、追加リストラが人材流出の加速にもつながり かねない。
さらに、政府が描く電力自由化の路線にも矛盾が生じる。廃炉などで10兆円規模の公的債務を負えば、東電は何年も借金を返し続 けるため、現在の地域独占体制を維持して経営体力を維持する必要が出てくる。一方、日本の電力市場の3分の1を担う東電が「電力公社」のままでは電力自由 化の達成は不可能だ。
政府に対して、電力行政の矛盾を突き付けた形の中期経営計画だが、「近いうちの解散」を明言した野田佳彦首相の政権下だけに、来春までに政府の追加支援を得られるかのスケジュールさえ見通しがたたない。
東電の賠償資金は政府から補填(ほてん)されるが、廃炉や火力発電の燃料費などは自力で調達していかなければならない。追加支援による信用補填がなければ、銀行からの追加支援も難しい。残る手段は、追加の料金値上げしかなくなる。
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