【TPP参加悲観論】訪米した山田元農相が語る安倍首相の大ウソ<日刊ゲンダイ>
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【TPP参加悲観論】訪米した山田元農相が語る安倍首相の大ウソ
2013年5月11日
http://gendai.net/articles/view/syakai/142314
▼全文転載
米国のスタンスは「入りたいなら入れてやる」
山田正彦氏インタビュー動画
山田正彦元農相らTPP慎重派が先月末、訪米した。米国の国会議員やUSTRのカトラー代表補や業界関係者との面談を重ねたのだが、そこでハッキリ分かったことがある。日本のTPP報道がいかにデタラメか、ということだ。山田氏が語る。
「安倍総理は『コメや牛肉や豚肉などの重要5品目の聖域は認められ得る。認められなければ、撤退すればいい』と言いました。そこでカトラー代表補に『そう なのか』と確認すると、『コメにおいても例外は認められない。輸入を一定程度抑制するセーフガードや関税の長期間据え置き(段階的に廃止)はあり得るが』 というのです。私は昨年1月にも訪米し、USTRの幹部に会った。その幹部も『米韓FTAを読んでください。それ以上のものをTPPで日本に求めます』と 明言しました。コメが聖域なんて、とんでもないのです」
米韓FTAで韓国はコメを例外にしたと報じられたが、実際は違う。2014年からコメの関税を段階的に廃止することになっていた。日本にも同じ手法で関税撤廃を迫る。それも韓国をしのぐ期間でやらせる、ということだ。
コメすら例外(除外)にならないのだから、牛肉や豚肉など他の重要品目が聖域になるはずがない。自民党は「コメなど重要5品目は除外、関税は維持、(守 れない場合は)脱退も辞さない」と決議文には明記した。しかし、到底、実現不可能だ。安倍首相は国民を騙(だま)しているに等しいのである。
「そこで、自民党の決議文を英訳して米国の国会議員に見せたんです。彼らは『こんな決議が出ていたのか。通商代表部に確認してみる』と驚いていました。基 本的に米国は『日本はTPPに入りたくて入りたくてしようがない』と思っている。だから、交渉で譲歩して当然と思っている。日米ではまったく認識が違うの です」
山田氏が今回の訪米で驚いたのは、米国内にもTPP反対論が渦巻いていることだ。
「自動車工業会会長は、日本の交渉参加に反対です。さらに米国の国会議員134人がTPP反対に署名をした。共和党はこれまで党員の63%が自由貿易推進 だったが、今は63%が反対と逆転しています。世論調査でも、自由貿易への反対が10年前は68%だったが、昨年は78%になった。企業が政府を訴えられ るISD条項にいたっては、米国の50州が反対です。米国はメキシコとカナダの北米自由協定(NAFTA)を経験している。その際、メキシコから600万 人の不法な移民が入ってきて、最低基準より低い賃金で働かせられた。そうしたら、それに引きずられて米国人労働者の賃金も下がったのです。TPPに代表さ れる自由貿易は1%の多国籍企業のプラスになっても、99%の国民にはマイナスになる。そうした認識が米国で広まっているのです」
何が「バラ色の未来だ」と言いたくなる。
動画はこちらで見られます→日刊ゲンダイチャンネル
山田正彦元農相らTPP慎重派が先月末、訪米した。米国の国会議員やUSTRのカトラー代表補や業界関係者との面談を重ねたのだが、そこでハッキリ分かったことがある。日本のTPP報道がいかにデタラメか、ということだ。山田氏が語る。
「安倍総理は『コメや牛肉や豚肉などの重要5品目の聖域は認められ得る。認められなければ、撤退すればいい』と言いました。そこでカトラー代表補に『そう なのか』と確認すると、『コメにおいても例外は認められない。輸入を一定程度抑制するセーフガードや関税の長期間据え置き(段階的に廃止)はあり得るが』 というのです。私は昨年1月にも訪米し、USTRの幹部に会った。その幹部も『米韓FTAを読んでください。それ以上のものをTPPで日本に求めます』と 明言しました。コメが聖域なんて、とんでもないのです」
米韓FTAで韓国はコメを例外にしたと報じられたが、実際は違う。2014年からコメの関税を段階的に廃止することになっていた。日本にも同じ手法で関税撤廃を迫る。それも韓国をしのぐ期間でやらせる、ということだ。
コメすら例外(除外)にならないのだから、牛肉や豚肉など他の重要品目が聖域になるはずがない。自民党は「コメなど重要5品目は除外、関税は維持、(守 れない場合は)脱退も辞さない」と決議文には明記した。しかし、到底、実現不可能だ。安倍首相は国民を騙(だま)しているに等しいのである。
「そこで、自民党の決議文を英訳して米国の国会議員に見せたんです。彼らは『こんな決議が出ていたのか。通商代表部に確認してみる』と驚いていました。基 本的に米国は『日本はTPPに入りたくて入りたくてしようがない』と思っている。だから、交渉で譲歩して当然と思っている。日米ではまったく認識が違うの です」
山田氏が今回の訪米で驚いたのは、米国内にもTPP反対論が渦巻いていることだ。
「自動車工業会会長は、日本の交渉参加に反対です。さらに米国の国会議員134人がTPP反対に署名をした。共和党はこれまで党員の63%が自由貿易推進 だったが、今は63%が反対と逆転しています。世論調査でも、自由貿易への反対が10年前は68%だったが、昨年は78%になった。企業が政府を訴えられ るISD条項にいたっては、米国の50州が反対です。米国はメキシコとカナダの北米自由協定(NAFTA)を経験している。その際、メキシコから600万 人の不法な移民が入ってきて、最低基準より低い賃金で働かせられた。そうしたら、それに引きずられて米国人労働者の賃金も下がったのです。TPPに代表さ れる自由貿易は1%の多国籍企業のプラスになっても、99%の国民にはマイナスになる。そうした認識が米国で広まっているのです」
何が「バラ色の未来だ」と言いたくなる。
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