給食に福島米を推進する中で、セシウム基準値超え120ベクレル<中村隆市ブログ 「風の便り」>
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給食に福島米を推進する中で、セシウム基準値超え120ベクレル
2013/10/12
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▼全文転載
◆福島のコメ、セシウム基準値超え 今年初、120ベクレル
(2013年10月8日 19:39 共同通信)から抜粋
福島県は8日、南相馬市の農家が収穫したコメの一部から、食品基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える120ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。福島県産米の基準値超えは、今年初めて。
栽培していた水田は、東京電力福島第1原発から20~30キロ圏。3日に収穫した52袋(1袋30キロ)の検査で、2袋が120ベクレルだった。
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◆今年度産米で初の基準超え
(南相馬市旧太田村産120ベクレル/kg)
(2013.10.10 内部被ばくを考える市民研究会)から抜粋
今年度産米で初の基準超え(南相馬市旧太田村産120ベクレル/kg)
(2013年10月8日19時53分NHKニュース 福島県のニュース)から抜粋
県産のコメの放射性物質の検査を行う「全袋検査」で、南相馬市の一部の農家が収穫したコメから、国の基準を超える放射性物質が検出されました。「全袋検査」で今月3日、基準を超えるコメ袋が44袋みつかったため、県が精密検査をしたところ、このうちの2袋から、国の基準を20ベクレル上回る、1キログラムあたり120ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。
南相馬市旧太田村産玄米の放射性セシウム濃度(2013年10月3日採取)
厚生労働省が2013年10月8日公表した食品中の放射性物質の検査結果データ(45袋の玄米セシウム合計は、ほぼ60~80ベクレル/kg)
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◆国体などで福島県産米使い支援
(2013年10月3日 NHK)から抜粋
原発事故による風評被害にあっている福島県の農業を支援しようと、東京都は国民体育大会とそれに続く全国障害者スポーツ大会に参加する選手団やスタッフに配る弁当に福島産の米を使う取り組みを始めています。
東京で先月28日に開幕した国体と今月12日に開幕する全国障害者スポーツ大会には、あわせて2万8000人の選手や役員が参加します。
また国体の競技会場がある25の市区町村も都の要請を受けて選手団などに配る弁当に福島産の米を使っています。
これらのコメは、すべて放射性物質を調べる検査によって安全性が確認されているということです。
東京都スポーツ振興局の神田明課長補佐は「東北の被災地ではまだ風評被害が続いていると聞いているので、東京都としてさまざまな形で支援していきたい」と話しています。
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◆ユーリ・バンダジェフスキー博士(元ゴメリ医科大学学長)の警告
子どもの体重1kgあたり、セシウム137が10ベクレル(体重5kgの子どもなら50ベクレル)蓄積するだけで遺伝子に影響を与え、不整脈を引き起こす可能性がある(不整脈は、心臓病につながる)と警告していまます。
※体重5kgの幼児が、セシウム137を毎日0.32ベクレル摂取し続けると体内10ベクレル/kgになります。
子どもの体重1kgあたり0~5ベクレル セシウム137が蓄積している子どもでは、80%の子どもたちは正常な心電図です。しかし、子どもの体重1kgあたり12~26ベクレル セシウム137が蓄積している子どもたちでは、正常な子どもは40%になります。60%の子どもたちが不整脈を引き起こしています。
この割合は、セシウム137の体内蓄積量が大きくなるほど、深刻な影響を与えていることをデータは示しています。子どもの体重1kgあたり74~100ベクレル セシウム137が蓄積すると、正常な心電図の子どもは12%に激減します。
国際放射線防護委員会(ICRP)は一度に1000ベクレル摂取した場合、毎日1ベクレル摂取した場合、毎日10ベクレル摂取した場合の体内セシウム137蓄積量のグラフを公表しています。(ICRP Publication 111)
毎日1ベクレル摂取しただけで、700日後(約2年後)には体内蓄積量は200ベクレル近くにもなります。毎日10ベクレル摂取していると、700日後(約2年後)には体内蓄積量は1400ベクレルを超えます。
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◆心臓病が急増
今、全国で心臓病が増加しています。私たちは、チェルノブイリの経験から学ぶことがたくさんあります。チェルノブイリ原発事故後、放射能汚染地の住民に心臓病が激増していきました。原発事故から22年が過ぎた2008年、ベラルーシで亡くなった人の半数以上(52.7%)が心臓病でした。何故、心臓病が激増したのか――私たちは学ぶ必要があります。
チェルノブイリ原発事故後のベラルーシで、バンダジェフスキー博士が病気で亡くなった人を解剖して分かったことは、心臓病の多くは、放射性セシウムが心筋(心臓の壁を構成する筋肉)に蓄積して起こったということです。
2012年12月26日の東京新聞によると、茨城県取手市(放射能汚染地=ホットスポット)の小中学生に心臓病が急増しています。一次検診を受けた小中学生1655人のうち73人が要精密検査と診断され、11年度の28人から2.6倍になっています。中学生だけで見ると、17人→ 55人と3倍強に増えています。
心臓に何らかの既往症が認められる児童・生徒も10年度9人から11年度21人、12年度24人と推移。突然死の危険性が指摘される「QT延長症候群」とその疑いのある診断結果が、10年度の1人、11年度の2人から8人へと急増しています。
また、心疾患死亡に関する人口統計において、福島県の心疾患死亡率が2011年度の全国一位になっています。(秋田県が公開したデータ)
◆2011年度 心疾患死亡率は、福島が全国一位
福島は、2010年度の8位から2011年度(2011年4月~2012年3月)は1位に、岩手が6位から4位になっています。
【福島と周辺県の心疾患死亡率が増加】
2010年度 2011年度 増加率
福島 197.6 226.0 14.4%
宮城 141.3 160.0 13.2%
茨城 150.1 165.9 10.5%
岩手 202.6 219.3 8.2%
全国平均 149.7 154.4 3.1%
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◆福島米の安全性のアピールに貢献するのは
国体選手と障害者、地元の学童たち
(2013年10月3日 みんな楽しくHAPPYがいい)から抜粋
「自分で食べないものを」といわれて福島市のJA新ふくしま組合長、吾妻雄二(66)は考えた。自分たちが食べるしかない。とくに、学校給食に福島市産米を使うことだ。子どもたちが福島の米を食べれば、安全性を全国にアピールできる――。
福島 給食で地元米の使用再開
福島県内の学校給食 「県産食材」震災後も使用
さらに新年度、県産食材使用市町村に食材購入費を補助
県は新年度、県産食材を給食に使う市町村に食材購入費を補助する。
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◆ジョン・W・ゴフマン著『人間と放射線―医療用X線から原発まで―』
京都大学原子炉実験所の今中哲二さんや小出裕章さんが翻訳したジョン・W・ゴフマン博士の名著 『人間と放射線―医療用X線から原発まで―』について、小出さんは講演などで「放射線被ばくに関して最も信頼できる本」として、よく引用されていますが、ゴフマン博士の【年齢別、がん死率】の研究によれば、55歳以上と子どもを比べると(同じ放射線量を浴びたときに)10歳の児童は200倍以上、0歳の乳児は300倍以上もガン死率が高くなります。
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◆日本では、チェルノブイリの経験がまったく生かされていない
【ウクライナで5万人の子どもを診察したエフゲーニャ・ステパノワ博士】
日本人へのアドバイス 病気予防対策の一番目
「放射能に汚染されていない食べ物をとること」
加えて、充分なビタミンをとること。体力増進に努めること。
汚染地域を離れて保養施設などで休むこと(最低でも4週間)
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児童が10~20ベクレル/kg汚染された給食を食べているというのは、55歳以上の大人が、その200倍の2000~4000ベクレル以上に汚染されたものを食べているのと同じである。
福島県と小中学校は、まず、福島米の給食での使用を取りやめ、ゴフマン博士やバンダジェフスキー博士の研究、チェルノブイリの被害の全貌を時間をかけて慎 重に検討した上で、どのような食材を給食に使用するかを決めてほしい。JAと農家の方は、国策で原発を進めてきた政府と東電に補償を求めてほしい。
そして、未だに年間被ばく量を20ミリシーベルトから1ミリシーベルトに戻さない政府に、目先の経済より「放射能から子どもを守ることを最優先させる」ように国民運動を起こす必要がある。
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