「中東の春」とは、なんだったのか??(【リビア分裂】二つの政府が対立 空港黒こげ、国内は無法状態)
欧米のメデイアは、中東諸国にまるで民主主義的な政治が始まるかのようなことを言っていたような気がします。
しかし、今になって現実を見ると
中東の古い独裁政治家を排除したかった欧米諸国が何らなの関与をして、古い独裁者を追放し欧米に都合の良い政権を作ろうとしただけのように見えます。
アメリカが、捏造された理由により(大量破壊兵器がある)軍事侵攻してフセイン大統領を政権の座から追放しフセイン大統領は、一応形式的ながら裁判で死刑となりました。
その後、アメリカの傀儡政権はイラク国内を統治できず混乱が続いています。
リビアのカダフィ大佐を追放するために、NATOは「人道的理由」により軍事介入し、カダフィ大佐を追放し殺害しました。欧米のメデイアは、カダフィ大佐について「悪の権化」であるかのような報道をしていました。カダフィ大佐が「悪の権化」であったとしたなら、現在も尚、カダフィ大佐の側の立場の人々が内戦を戦ってはいないでしょう。リビアの現実は、下記の記事のようです。
47ニュース
【リビア分裂】二つの政府が対立 空港黒こげ、国内は無法状態
(共同通信)2014/08/29 11:00
http://www.47news.jp/47topics/e/256511.php
シリア内戦も同じ性質があります。
欧米諸国に都合の悪い、アサド大統領を排除しようとしました。
しかし、アサド大統領がリビアのカダフィ大佐やイラクのフセイン大統領と違うのは、後ろ盾があることです。イランがあります。イランは、当然シリアの現政権を支持しています。だから、NATOはリビアでのように軍事介入が出来ません。やれば複数国家を巻き込んだ中規模の局地戦に発展してしまうかもしれないからです。
シリア内戦の残虐さと悲惨さは、報道されるとおりです。
なぜ??リビアには、「人道的理由」を根拠に軍事介入したNATOは軍事介入してシリア内戦を終わらせないのか???
結局、欧米の自分たちの利益のための中東での様々な工作は、中東の秩序を破壊し混乱と無秩序を生み出しただけでした。
現在、「イスラム国」と言う新しい勢力が誕生し、急速に支配地域を拡大しています。活動地域は、イラクとシリアに及びます。欧米の身勝手な中東政治への介入が
混乱と無秩序を生み出し、その中から過激なイスラム原理主義組織が国家を名乗るようになりました。
☆現在、日本国内では、集団的自衛権が政治問題化しています。
NATOは、東西冷戦の時代には自由と民主主義の砦のような感がありました。
現在、ロシアは国力を回復しつつありますが、かつての旧ソ連には到底及びません。
それをイイことに、NATOは周辺諸国に自分たちの都合により軍事介入する組織に変質しました。
集団的自衛権が、集団的攻撃権に変質しました。
私は、ブログ記事で集団的自衛権は当然のことだと書いたことがあります。
しかし、この例を見るなら、集団的自衛権には、地理的な意味での厳格な縛りが必要だと思います。
現在は、日本とアメリカの日米安保を念頭において議論しています。
日本とアメリカの国土防衛に地理的範囲を厳格に限定することが必要不可欠だと思います。
日本、またはアメリカの国土以外での軍事行動を禁止すると言う意味です。
むしろ、何の正義もなかった第二次イラク戦争に巻き込まれる危険性を考えるなら、集団的自衛権を否定するのも一つの考え方では、あります。
活動範囲を厳格に限定した、日本とアメリカの国土防衛に目的も限定した二国間軍事条約のままにしておくべきかもしれません。
あるいは、スイスやスウエーデンの道もあります。
こちらは、重武装中立路線です。
過去の侵略戦争を反省し、侵略戦争は二度と行わない。
武装中立を、国是とする。
このような選択も、当然ありえます。
私は、スイスを範とし、永世中立への道を志向するべきであると、個人的には思っています。
☆一番止めて欲しいのは、「非武装中立」などという「机上の空論」を言うことです。これは、余りに「無責任」に過ぎます。
「非武装中立」が成立するには、絶対的な前提条件があります。
国連が強力な常設軍を保有すること。
軍事大国が軍事力の大半を放棄すること。
ざっと、考えてもこれくらいあります。
これは??現在、実現できますか??
実現できなければ、「非武装中立」は「机上の空論」に過ぎません。