「北の山・じろう」時事問題などの日記

 ☆今は、無きブログのタイトル☆ 『取り残された福島県民が伝えたいこと』 管理者名 「取り残された福島県民」 当時のURL>http://ameblo.jp/j-wave024/

ICRP と IAEA と EURR について(被曝の許容基準について)

最近、原発の話ばかりでした。元々が、原発事故の原因と責任追及から「ブログ」が、スタートしたので、つい話がそっちに行くと、行きっぱなしになります。今週は、被曝健康被害について取り上げようと、思います。これまで、何回か取り上げてきましたが、被曝の許容基準が色々あると言うのか、メチャクチャと言うべきか、迷う所です。その背景を説明します。まず、これをご理解いただきたいと思います。ここのところを、理解していないといつまでも迷う事になります。そして、時間が経過すると手遅れになります。

さて、「被曝」の話です。
まず、被曝の年間許容量について復習してみます。
内部被曝外部被曝を合わせて、1ミリシーベルト
日本の法律で決められた、基準です。政府は、基準が合わなくなると
すぐ基準を引き上げてしまいます。国民の生命や健康をいかに軽視しているか
よく分かります。戦時中の陸軍政権と大差ありません。情報統制と言い良く
似ています。国民に対する事故や放射能汚染の政策は、旧ソ連政府以下です。

★ICRPを、「ICPR」と誤表記していました。お詫びの上、訂正いたします。

と言う話は、止めて「内部被曝」の話です。
CRP((国際放射線防護委員会)と言う組織があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E9%98%B2%E8%AD%B7%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

CRP(国際放射線防護委員会)についての考察
(政府の安全基準のメチャクチャさ加減)
http://d.hatena.ne.jp/point-site-play/20110913/1315929511

この説明にあるとおり、元々アメリカが核実験を、「正当化」するために作り出された
組織です。皆さん、よく耳にする「IAEA」は、核保有国が核兵器を独占するために
作られた機関です。これは、正式な国際機関です。目的は、「核施設の査察」です。
要は、核兵器を作るための材料を作っていないかどうか、確認するのが主要な目的です。
テレビや新聞に良く出てくるので、原発の監督のための機関と思うかもしれません。
しかし、実際は「核施設の査察」が任務です。たまたま、プルトニウムを作る材料が
原発の使用済み核燃料であるために、原発が査察の対象になっているだけです。

そして、今では原発の監督機関であるような振る舞いをしています。
基準値を作ったのは、ICRP(国際放射線防護委員会)です。元々、核実験の正当化の
ための機関ですから、人間の安全より核兵器の実験を優先します。そんなところが
現在、用いられている放射能の基準値を作ったのです。

元々、ICRP(国際放射線防護委員会)もIAEAも、このような機関である事を
知っておくべきです。どうしてかと申しますと、ヨーロッパの市民よりの団体と
安全基準が、当然異なるからです。

対極にある組織として、ECRR(欧州放射線リスク委員会)が、あります。
ウイキペデイアの説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
この組織は、劣化ウラン弾の人体への悪影響を調査したり、チェルノブイリ原発事故の
環境や人体への悪影響を調査・告発するのが、活動内容です。
欧州議会内の政党である欧州緑の党」が設立の母体であり、完全に市民の側に位置する
市民団体としての性質を持っています。

この両者の、正反対の性質を理解していないと、どちらの主張を重視するべきか
判断できないと思います。

当然ながら、ICRP(国際放射線防護委員会)もIAEAも国際原子力産業利権にバックアップされています。と言うより、核保有国や原発の有る国の政府が、バックにいます。どこの国でも原発利権は強力な政治力と社会への影響力を、持っています。日本の場合は、マスコミが極めて弱体なので、それが際立っているのです。ですから、御用学者は、このような勢力を背景に放射能無害論を展開するのです。引き換えに、地位やお金(研究費)や身の安全を保証されているのです。

長々と説明しましたが、現在の被曝の基準を作った、ICRP(国際放射線防護委員会)は、当然に原発推進の団体であり、国際機関ですらありません。IAEAも同様です。核兵器を肯定するのですから原発大賛成の国際機関なのです。このことを、シッカリ頭に入れておいてください。そうすると、判断に迷った時、どこの意見・見解を参考にするべきかの判断材料になります。

その原発推進のICRPでさえ、年間1ミリシーベルトを、安全の基準にしているのです。
繰り返しますが、「外部被曝」と「内部被曝」を合わせて、1ミリシーベルト(年間)です。

そして、大事な事があります。ECRRの主張では、ICRPは「内部被曝」の危険性を
軽視しているとしています。ICRPの最低「60倍」に見積もるべきだと主張して
ます。ECRRのクリストファー・バズビー 博士によれば、核種(放射能の種類)によってはICRPの評価の300〜1000倍内部被曝は、外部被曝に較べて危険だと主張しています。つまり、同じ1ミリシーベルト被曝でも、外部被曝なら、そのまま「1ミリシーベルト」ですが内部被曝なら、「300〜1000」ミリシーベルトに相当すると言っているのです。ECRRの公式見解は、60倍と言う事のようです。

このように、その立場によって、全然主張が異なるのが、「内部被曝」の悪影響なのです。
クリストファー・バズビー 博士
ウイキペデイアの説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%BA%E3%83%93%E3%83%BC

従って、ICRPの基準すら無視している日本政府の基準は、ムチャクチャと言うべきか、「殺人的」と言うべきか、判断に迷う所です。これくらい、ひどい基準を日本国民は押し付けられているのです。

福島の学校で適用された基準は、「外部被曝」だけで、「20ミリシーベルト・年間」です。国際基準は、原発推進の立場に有っても、「1ミリシーベルト・年間」で、しかも「外部被曝」と「内部被曝」の合算ですよ。

欧米の原発労働者の「内部被曝はしない」と言う前提の外部被曝の基準が、「5年間」で「100ミリシーベルト」です。
一年平均なら、20ミリシーベルトです。しつこいようですが、「内部被曝」は無いという前提です。

食品の基準値の、500→1000ベクレル・1kg(1リットル)は、WHO基準で、「非常時に餓死しないための上限値」です。このような、基準の半分で判定された食品・食材が現在、流通しているのです。

大分、長くなりましたので、各論には入りません。上記のことを、シッカリご理解ください。全ての事の、判断基準になります。

内部被曝」と「外部被曝」を、合算して、年間の被曝許容量が「1ミリシーベルト」です。原発推進の立場にあっても、これは変わらない国際基準です。