「北の山・じろう」時事問題などの日記

 ☆今は、無きブログのタイトル☆ 『取り残された福島県民が伝えたいこと』 管理者名 「取り残された福島県民」 当時のURL>http://ameblo.jp/j-wave024/

過労社会 防げなかった死(東京新聞)を、考える

★皆さんは、以下の記事をお読みになって、どうお考えになりますか???
単に企業の利益が上がれば、それで良いのですか???
そんな企業の経営者が、マスコミでもてはやされたり、東京都知事選挙に立候補したりしました。記事にある企業ばかりでなく、サービス残業・過労死の話は、ごく当たり前に聞きます。自殺者は14年連続で、「3万人以上」です。人間は、何のために働くのですか???生活のためです。幸せになる為でもあるでしょう。生活のために働かざるを得ない、人間の弱みに付け込んで、サービス残業を強要し「過労死」まで生み出しています。こんな事が、許されて良いのでしょうか???

ブログ「すくらむ」
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11133033530.html

サービス残業や過労死の話を聞くたびに、私が思うのは、戦前の時代の「女工哀史」です。
小説『あゝ野麦峠
あゝ野麦峠 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%82%9D%E9%87%8E%E9%BA%A6%E5%B3%A0
著作者『山本茂実
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E8%8C%82%E5%AE%9F

★現代版、『あゝ野麦峠』です。時代を超えて過去が蘇えりました。人間のやることや、考える事は時代が変わっても同じ部分が、あります。人間を、使い捨てにする部分では、戦前の「女工哀史」も、現代の「サービス残業・過労死」と、『何ら変わりは、有りません』。是非、一度『あゝ野麦峠』や『蟹工船』小林多喜二著を、読んで頂きたいと思います。そして、『あゝ野麦峠』や『蟹工船』の世界が、現代に蘇えっている事を、知って頂きたいと思います。
蟹工船
http://www.aozora.gr.jp/cards/000156/files/1465_16805.html

★そのような社会を、変えるために戦後、色々な社会改革がなされたはずです。しかし、現代の政治家や国家行政、企業経営者は、それを忘れ果てています。過剰なサービス残業を働く人間に押し付け、過労死があろうと「ほおかむり」をして、利益のためだけに経営をする。こんな経営者を、私は許せません。

★人間としての「良心」や「人格」に、欠けています。人間の欠陥品です。「人の心」を失った人間は、人間ではありません。しかし、今そんな人間が沢山います。しかも、社会の上層部に沢山います。これを、悪いと非難するのが、マスコミの役割です。その役割を、果たさず、それどころか、「サービス残業や過労死」のお先棒を、担いでいるのではないか???と、見受けられるような、マスコミさえあります。こんな社会が、「良い社会」であるはずが、ありません。


★「東京新聞」から記事3本、全文引用。
(1)自殺後 是正勧告10件 残業 月100時間超も
東京新聞 TOKYO WEB 2012年5月26日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012052602000098.html

 ワタミフードサービスが二〇〇九年以降、経営する居酒屋などで、時間外労働・休日労働に関する協定(三六(さぶろく)協定)に定められた時間外労働の上限時間を超えて従業員を働かせていたとして、労働基準監督署から十件の是正勧告を受けていたことが、会社側への取材で分かった。〇八年六月に新入社員の森美菜さん=当時(26)=が過労自殺した後も長時間労働が残っている実態が明らかになった。

 三六協定は労使合意に基づき、例外的に従業員の時間外労働を認める手続き。協定で定めた上限時間を超えて働かせた場合は、労働基準法に抵触する。

 親会社のワタミによると、ワタミフードサービスは〇八年十月から、経営する「和民」など居酒屋全店の時間外労働の上限を、三六協定を結んで一斉に月百二十時間から七十五時間に引き下げた。

 是正勧告を受けたのは、首都圏や関西の居酒屋の九店舗と本社。〇九年二件、一〇年三件、一一年三件、今年二件だった(四月末現在)。協定の時間外労働の上限を、最長で一人当たり月三十数時間を超えていたという。

 勧告を受けた十件のうち三件の時間外労働は、厚生労働省が過労死との関連があるとする「過労死ライン」の月八十時間を超える勤務になっていた。

 是正勧告を受けた店舗には本社が指導し、改善を図ったという。

 ワタミ・ビジネスサービスグループの辰巳正吉グループ長は「客入りが予定を上回る場合もあり、上限時間をはみ出すことは現実にある。社員の業務の一部をアルバイトに委譲したり、必要人数に向けて採用活動するなど質と量で上限内に収まるよう改善を進めている」と話している。



(2)過労社会 防げなかった死<上> 急成長ワタミ「労使一体」
東京新聞 TOKYO WEB 2012年5月26日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012052602000099.html

 ワタミフードサービス(東京)に入社して二カ月で自殺した森美菜さん=当時(26)=の同僚だった元男性社員(26)は、入社時の本社研修を忘れない。

 同期の一人が会場で「労働組合はあるんですか」と尋ねると、人材開発部の社員が即座に答えた。「うちにそんなものはないし、必要ありません。問題が起これば迷わず相談してください」。会場がざわめいた。

 四年たった今も、ワタミグループに労働組合はない。「創業者の渡辺美樹氏は社員を家族と言ってはばからない。その思想が背景にある」と元幹部は説明する。だが、“娘”だった森さんの葬儀に渡辺氏の姿はなかった。

 ワタミの法令順守担当の塚田武グループ長は「わが社は労使対等というより労使一体。問題があれば内部通報制度もあり、従業員の意見を集約する機能を十分果たしている」と話す。

 親会社のワタミは創業十四年で東証一部に上場。〇五年にはチェーン店が五百を超えた。社長だった渡辺氏の「二〇〇八年千店舗達成」の大号令に加え、介護分野など事業の多角化にも乗り出す。

 ある店長経験者は「むちゃな拡大路線で現場にひずみが生まれていた」という。元取締役も「会社の急成長の裏でコンプライアンスが追いついていなかった」と語る。

 森さんが自殺した〇八年前後は、ワタミフードサービスで労務管理の問題が噴出した時期だった。三十分単位で勤務時間の端数を切り捨てていた残業代の未払いが発覚し、アルバイトの解雇をめぐる訴訟も起きた。

 ワタミフードサービスは、この年を境に時間外労働の上限を全店一斉に短縮。店舗のパソコンで一分単位で出退勤時間が記録できるシステムに改めた。

 塚田氏は「いけいけドンドンの創業時と違い、会社が大きくなると法令順守が求められるようになり、企業として成熟していった」と説明した。

 ワタミの中堅幹部によると、今年二月、森さんの労災認定を、会社は驚きを持って受け止めたという。中堅幹部は「労働基準監督署は不認定だったし、労務管理も改善が進んだ。森さんの件は社内的には終わった話で、青天の霹靂(へきれき)だった」と明かした。

 森さんの労災認定の際、神奈川労働者災害補償保険審査官が指摘した、森さんの月百四十時間の時間外労働について塚田氏は「当時から異例だった」と言い切る。

 だがワタミフードサービスでは今も、従業員の意思が反映されないやり方で三六協定が結ばれ、労働基準法に抵触する状態が続く。従業員は、経営側の言うがままの労働条件を受け入れるしかない。

 渡辺氏は森さんの労災認定後、短文投稿サイト「ツイッター」に「労務管理ができていなかったとの認識はない」と書き込み、批判にさらされた。

 今月、渡辺氏に三六協定の手続きが適正かなどについて取材を申し込んだが、回答は「遺族と協議中のためコメントは控えさせていただきます」だけだった。

   ×  ×

 手帳に「誰か助けて」と書き残し、新入社員の森さんは自ら命を絶った。「過労死」という言葉が生まれて、今年で三十年。過労死はなくなるどころか、年々増え続けている。会社の利益を追求するあまり、人命が軽視されていく。彼女らの悲鳴はなぜ届かなかったのか。過労死を生む背景に迫る。

 「過労社会」へのご意見や過労死問題の情報をお寄せください。〒231 0007 横浜市中区弁天通4の52 東京新聞横浜支局。ファクス045(201)1046、メールyokohama@tokyo−np.co.jpまで。



(3)過労社会 防げなかった死<中> 外食大手「うちだけじゃない」
東京新聞 TOKYO WEB 2012年5月27日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012052702000161.html

 「『過労死ライン』を超える時間外労働を認めているのは、うちだけではない」

 二〇一〇年八月の大阪高裁。大手居酒屋チェーン「大庄」(東京)が提出した資料には、他の外食大手十三社十八店で会社側が労働者と合意したとされる残業時間が列挙されていた。月百三十五時間、百二十時間、百時間…。厚生労働省が過労死と関連が強いとする八十時間を上回る数字が並ぶ。

 吹上元康さん=当時(24)=は〇七年四月に同社に入った四カ月後、心機能不全のため死亡した。労働基準監督署の労災認定は下りたが、両親は会社と取締役個人を相手取り裁判に持ち込んだ。過剰な長時間労働を認めていた経営者の姿勢を正したかった。

 吹上さんは大津市の「日本海庄や石山駅店」に配属され、午前九時に出勤し午後十一時すぎまで働くのが常だった。高裁は吹上さんの残業時間を、月七十八〜百二十九時間と認定した。

 自分より経験のあるアルバイトにも気を使い仕込み作業を率先してこなしていたと、同僚は法廷で証言した。「八歳の時の作文で、『食堂屋になりたい』と書いた。自分の店を持つ夢を抱いて入社したが、調理師免許を取る前に倒れてしまった」と、父了(さとる)さん(63)は悔やむ。

 吹上さんの店では当時、時間外労働の上限は百時間とされていた。長時間労働を認めてきた責任を問われた大庄側の反論は率直だった。

 「外食産業界では、上限百時間の時間外労働を労使間で合意するのは一般的だ。他の業界でも、日本を代表する企業でも同様だ」

 過当競争の業界で、自社だけが「健康第一」でやっていては生き残れない。経営側の論理が透けて見えた。

 昨年五月の判決で、坂本倫城(みちき)裁判長は「長時間労働を認識できたのに放置し、改善策を何ら取らなかった」と、社長以下取締役四人に計約一億円の賠償を命じた一審判決を支持。経営者個人の責任をあらためて認めた。

 大庄の主張は日本の働き方を象徴している。総務省の昨年の「労働力調査」によると、二十〜五十九歳の男女の一割強に当たる約五百三万人が「過労死ライン」を超えて働いている。坂本裁判長は判決で「労働者の健康は何よりも守らなければならない」と繰り返し、警鐘を鳴らした。

 厳しい就職戦線をくぐり抜け、やっと内定をつかんだ若者が毎年、過労で倒れていく。「判決は画期的だが、経営者が労働者の命と健康を守る自覚を持たなければ、事態は良くならない」。三十七年にわたり過労死遺族からの相談を受けている水野幹男弁護士は、こう話す。

 吹上さんの裁判で大庄側は、判決を不服として上告した。

 「過労社会」へのご意見や過労死問題の情報をお寄せください。〒231 0007 横浜市中区弁天通4の52 東京新聞横浜支局。ファクス045(201)1046、メールyokohama@tokyo−np.co.jpまで。