「北の山・じろう」時事問題などの日記

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官々諤々} 尖閣衝突にほくそ笑む親原発官僚/古賀茂明「日本再生に挑む」<現代ビジネス

現代ビジネス
トップ>http://gendai.ismedia.jp/
古賀茂明「日本再生に挑む」
官々諤々
尖閣衝突にほくそ笑む親原発官僚
2012年09月30日(日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33635
▼全文引用

 尖閣問題で中国との対立が深刻な事態に発展している。ところが、この事態を喜んでいる官僚達がいる。オスプレイ配備を願う外交、防衛官僚のことではない。原発推進派の官僚達が、この成り行きをうまく利用しようと画策しているのである。

 民主党政権が、2030年代の原発ゼロを目指すという方針を打ち出した。選挙目当ての口から出まかせと言っていい内容なのだが、「ゼロ」という言葉の響きは効果絶大。マスコミはこれを大々的に報じた。

 民主党のゼロ宣言に対する官僚達の反応はいたって冷静だ。'30年代ゼロと言っても、2039年かもしれないし、ゼロにすると断言しているのではなくて、それを目指して頑張るというだけのことだ。しかもすぐにでも見直すことができるとされている。要するにどうにでもなるという内容だ。

 そもそも、民主党政権の余命はあと数ヵ月。次期政権を担う自民党総裁選の方が重要だが、5人の候補は、揃って原発ゼロに反対。時間をかけて判断しようということも共通だ。誰が総裁、そして総理になっても、原発ゼロの方針は転換される。時間をかけてゆっくり判断することになれば、いずれ福島の事故も風化して、ゼロどころか、また原発推進に舵を切ることが出来ると信じているのだ。

 そこに降って湧いた、尖閣をめぐる中国との対立。これが原発推進派には追い風になる、と官僚は言う。脱原発批判の最初の論点は、電力が足りないということだったが、これが大嘘だったことが露呈した。次に考えた批判が、電力料金の大幅上昇だ。

 しかし、経産官僚達は、実はこれもかなり論拠が怪しいということに内々気付いている。国家戦略室が出した試算の根拠が、極めてずさんかつ恣意的なもので、むしろ原発のコストの方が高くなる可能性が高いということを、大阪府市エネルギー戦略会議において国家戦略室幹部も認めざるを得なかった。今はまだマスコミが「電力料金大幅上昇キャンペーン」に乗せられてしまっているが、これもそのうち嘘がばれてしまうということを官僚達は知っているのだ。

 そこで、次の論点を昨年から準備していた。それが、脱原発は国際社会で認められない、とりわけ、米国の理解が得られないという理屈だ。詳細は別の機会に譲るが、米国は日米共同でアジアに原発を売り込みたい。しかし、そこで生じる使用済み核燃料を各国が独自に再処理するとプルトニウムが各国に拡散する。これは核不拡散の観点で問題だ。

 そこで、日本には、アジアで大量に生じる使用済み核燃料の再処理を請け負って核不拡散に貢献してもらいたい。しかし、日本が原発ゼロ政策を取れば再処理も不要となり、こうした貢献ができなくなる。これではアメリカの期待に反する。原発分野で日米の協力関係にひびが入れば、日米同盟関係の再構築の障害になる。だから日本の安全保障のためにも原発ゼロ政策は取りえないというのだ。

 日本に原発を継続させたいのは、アメリカ政府ではなく、アメリカの原発関連の企業と政治家だ。彼らに対して、日本の原子力ムラが官民共同でロビーイングをしてきた。日本の原子力ムラのドン・K氏の訪米後、米国から原発ゼロへの懸念の声が聞こえ始めたのは偶然ではない。

 そこに中国との対立が起きた。アメリカの協力が最も大切な時期にゼロ政策は取りえない! と原子力ムラは叫ぶ。これ以上のタイミングはない。国家の安全保障=アメリカへの従属、という図式で日本の全原発が再稼働する日が近付いているのだろうか。

「週刊現代」2012年10月6日号より

こが・しげあき  改革派官僚として公務員制度改革などで活躍したが、'11年9月に退官。現在、大阪府市統合本部特別顧問を務める。『古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン』(講談社)の会員を募集中



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