「北の山・じろう」時事問題などの日記

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原発の無い社会へ(その2)一足飛びに、行ってはいけない?

脱原発は、言い換えるとエネルギー政策の転換です。原子力で発電していた分を、一気に自然エネルギーに置き換えようと言うのが、ドイツの意欲的な挑戦です。「上手く行っている部分もあり、余り上手く行っていない部分もある」、と言うのが実情のようです。

★最大のネックは、送電網の再構築にあると思います。つまり、エネルギーの生産地が小口化して分散します。それに応じて送電網を作らなければならないと言う事になります。ドイツの場合は既に、発送電分離がなされていて、送電網の管理はドイツ国外の企業が請け負っているようでした。(以前、読んだ記事では)そして、前回の冬が大変だったそうです。記事のインタビューに答えていた担当者によると、一冬で1000回以上、緊急出動したそうです。

★どうして、冬場にそうなるのでしょう???理由は、寒さと雪だと思います。日本でも、北国では湿った大雪が降ると、その雪が電線に積もり氷となって電線に負荷をかけます。その重みに耐えられなくなると、電線が切れます。利用者にとっては、停電になります。太い「高圧電線」が断線すると、大規模な地域で停電が発生します。高圧送電網に余裕があれば、迂回して送電する事が出来ますが、余裕が無ければ断線を修理して使うしかありません。

★これが、ドイツの冬場の送電網の危機の概略であろうと思います。記事には、ここまでは書いてありませんでした。あくまで私の推測です。どうして、それが推測できるかと言うと、日本にも同じ問題が既にあるからです。
ドイツ脱原発・進む廃炉への動きと難航する自然エネルギー転換への具体策づくり<WEB RONZA
http://d.hatena.ne.jp/point-site-play/20120908/1347037680


★これは、稚内の知人から聞いた話です。稚内には、風力発電の適地が沢山あるそうです。しかし、どんどん建設すると言うわけには、いかないのです。稚内から札幌などの電力の消費地に送電する高圧送電網が、貧弱で発電しても送電できる量に限界があるのです。

★これは、全ての自然エネルギー発電に大体、当てはまる事です。今、政府は各電力会社の送電網の調査を始めたとの記事が、つい最近出ていました。多分、このブログにも掲載したような気がします。つまり、自然エネルギー発電を増やす事と、高圧送電網をそれに合わせて増設する事を、セットでやらないと上手く行かないのです。

脱原発には、もっと簡単な方法が、あります。
原発を停止すると、年間燃料費3兆円増」は、本当か???
http://d.hatena.ne.jp/point-site-play/20121210/1355109773

この記事を、わざわざ書いたのには伏線があり、今回の記事の説明のために書きました。つまり、老朽化している主に石油火力発電所を、最新の石炭やガス火力発電所に置きかえれば、当座の電力に困ることはありません。大企業の持つ自家発電能力は、6000万キロワット(毎時)以上あることは、以前の記事で書きました。資源エネルギー庁の資料にも掲載されていますので間違いないと思います。そして、おそらく半分も稼動していないと思われます。これの稼働率を上げて、電力会社が購入すれば、電力不足は数字的に「有り得ない」話です。緊急の場合は、時間的限界(発電時間と言う意味)はあり、また燃料費が別途必要ですが、揚水発電能力が、全国で更に1000万kWh以上あります。どうしても、足りなければこれを需要のピークに合わせて活用すれば、良い事です。

そして、現在、発電能力に占める割合が約「19%」ある石油火力発電所が、上限近くまで稼動していると推測されます。それを、最新式の石炭、またはガス火力発電に置き換えるだけで、3兆円増と試算されている発電用の燃料購入費は、大幅に圧縮されるはずです。設備の更新期にある火力発電設備が多いと推測されますので、新規に作っても必要経費の範囲内であろうと思います。

そして、このようにするなら送電網は既存のものが使えます。すでにある古い火力発電所を、更新するのですから、送電網は、既にあるのです。

★とりあえず、このようにすれば企業が電力不足におびえる事もなくなるでしょう。そして、ここに電力自由化を加えて価格競争を促せば、これだけで今より電気代は、安くなると思います。ちなみに、日本の電気代は大体、国際相場の2倍です。電気代が半分になるとは、申しませんが、自然エネルギー比率を高めるコスト増分くらいは、十分吸収できるのではないかと推測します。やはり、産業界の理解を得る事は大切だと思います。電気代も安くなり、これまでどおり電力の安定供給がされることが、産業界に理解されれば、今のように「原発オンリー」の大合唱は、しなくなると思います。

★前の記事で紹介したとおり、日本には地熱発電能力が、全国で「2347万kWh」分眠っているそうです。
埋蔵ポテンシャルは全国で2347万kW分! 貴重な純国産再生可能エネルギー「地熱発電」の振興に向けた課題とは
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33970

これが、どれほどすごい事か詳しくない方のために説明しますと、東電一社の発電量を5500kWhと仮定すると、42%強に相当します。100kWhの原発で数えると、23基分です。現在、稼動可能な原発の半分くらいを地熱発電だけでまかなえる事になります。ドイツ人は、泣いてうらやましがるでしょうネ??「使わないなら、それ!ウチによこせ!!」なんて言われそうです。他にも、ドイツ人にうらやましがられる事があります。

★日本には、温暖な気候と豊富な太陽光、長い海岸線などが、地熱以外にもあります。太陽光発電、陸上風力発電は、今も既に始めていますが、海上風力発電は陸上で起きているような問題は、発生せず、しかも大規模発電が可能です。そして、太平洋側は、比較的風が安定していて、風力発電に向いているそうです。これも、ゴッソリ作れそうですネ???

★更には、実用化一歩手前の「波力発電 」と言う技術があります。これも、周囲を海に囲まれた日本に向いた発電技術です。
「波力発電 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB
関連記事
(波力発電)関西電力、波力発電の基礎調査へ エネ拠点化、県はLNG立地研究<福井新聞
http://d.hatena.ne.jp/point-site-play/20121210/1355109773


★最新鋭の石炭やガス火力発電を、「渡り舟」に使えば、原発の再稼動なしにスムーズに、自然エネルギー比率を高めながら、原発の無い社会へ行く事が出来ます。

★「原発の無い社会へ(その2)一足飛びに、行ってはいけない?」とは、以上のような趣旨です。




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