「北の山・じろう」時事問題などの日記

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長谷川幸洋著 『政府はこうして国民を騙す』 ~メディアは政府や権力から独立しているべきだ~

現代ビジネス
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賢者の知恵
長谷川幸洋著 『政府はこうして国民を騙す』
~メディアは政府や権力から独立しているべきだ~

1月18日発売の最新刊より巻頭を抜粋
 2013年02月09日(土)
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▼全文転載


(1)

 「オフレコ」や「リーク」を自分たちの「相場観」を広めるためのツールとして使いこなす官僚たち。そんな役所側の思惑を知らず、オフレコ取材を日常的に繰り返し、リーク情報をありがたがって、事実を歪める記者たち---。

  「かつて自分は財務省の忠実な下僕=ポチだった」と告白する筆者だからこそ見破ることができ、そして書くことができる、驚くべき「霞が関とメディアの本当の関係」。これを知れば、新聞の読み方、ニュースの見方が劇的に変わる!

  「オフレコ破り」をめぐる経産省広報室長との白熱のバトル、「失言」で更迭された大臣への直撃取材で分かった閣僚交代の本当の理由、不勉強なメディアが易々と官僚に騙されるプロセスなどなど、新聞・テレビでは報じられることのない舞台裏が赤裸々に明かされる。

 いまやツイッターのフォロワー数3万8000人を誇り、連載がサイトにアップされると、瞬く間にリツイートが拡散される「カリスマ新聞記者」が放つ政 府&メディア解剖の切れ味は他の追随を許さない。政府の狙いを見抜き、ニュースを正しく知って確かな判断をするために、今こそ読むべき一冊。
佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)絶賛!!
霞が関(官界)と永田町(政界)の内在的論理をもっとも正確につかんでいるジャーナリストが長谷川幸洋氏だ。ひとりよがりの小さな正義 やプライドにこだわるあまり、国民からスッテンテンに遊離してしまっている日本の政治エリート(国会議員、官僚)の滑稽で醜悪な姿が徹底的に暴かれてい る。行間から、日本人と日本国家を何としてでも生き残らせたいという長谷川氏の熱い想いが伝わってくる。日本の現在と未来に関心を持つすべての人にこの本 を奨める。

【第1章導入部】はこちらをご覧ください。
【第2章導入部】はこちらをご覧ください。

 

はじめに

 メディアは政府や権力から独立しているべきだ。

 これは当たり前のことなのだが、残念ながら日本では十分に実現しているとは言いがたい。2011年3月11日の東日本大震災福島原発事故を経て、国民の間には「日本のマスコミは政府や電力会社の言いなりで大本営発表を垂れ流すばかりだ」といった批判が広がった。

『政府はこうして国民を騙す』
著者:長谷川幸洋
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 そんな批判はインターネットの普及もあって、いまや多くの人々に共有されている。だが、大本営発表報道は3.11の後から始まったわけではない。それ以前から、ずっと続いていた。それが3.11後に、だれの目にもあきらかになったという話である。

 12年12月の総選挙を経て3年3ヵ月続いた民主党政権は終わりを告げ、新たに自民党と公明党の連立による安倍晋三政権が発足した。選挙結果は自 公両党合わせて325議席という圧勝だった。09年に続く本格的な政権交代である。第3極という新たな政治勢力も一定の地歩を固めた。政治の地殻変動は今 後も続いていくだろう。そんな中でメディアも自己改革を迫られている。

 本書は3.11後の東京電力処理や原発・エネルギー問題、消費税引き上げ、民主党小沢一郎元代表をめぐる事件と検察疑惑、オフレコをめぐるメディア問題などを扱っている。

(2)

 さまざまな話題を追いながら、ずっと心の片隅で考えていたのは「メディアの自立」というテーマである。

私の座標軸

 東電処理や原発問題について、どこから出発し何を目標にして考えるか。あるいは小沢と検察について、国民にとって本当に問われている問題は何か。それらを考えるのに、ジャーナリストである自分の立ち位置をしっかり定める。それが一番肝心だった。

 言うまでもなく、ジャーナリストは官僚でも政治家でもない。社会や政治、経済の出来事をプロとして観察、分析して報道かつ論評する職業人である。そんなジャーナリストが社会に対して情報や論評を発信するとき、いったい社会にとってどんな有益性があるのだろうか。

 官僚がつくった政策をそのまま紹介するだけなら、読者は役所のホームページを見ればいい。「それを読むのは面倒だから新聞がある」というなら、新 聞は単なる役所情報の要約係にすぎない。そういう時代はもう終わった。インターネットがなかった時代には、要約係でも新聞の有用性があったが、いまやだれ でも役所のホームページをチェックできる。

 政治の話も同様だ。政治家の発言を紹介したり、国会の動きを伝えるだけなら、政治家や国会のホームページなどを見ればいい。いまでは国会審議の様子を伝える個人のブログもたくさんある。

 新聞には一覧性があるという意見もある。だが、いまやヤフーのニュースサイトにも一覧性がある。一覧性は新聞だけの利点ではない。

 社会に有益性のない仕事はやがて淘汰される。必要がないものにカネを払って購読する消費者や広告料を払うスポンサーはいない。これはメディアや ジャーナリストだって同じである。だからインターネットで情報が氾濫する中で、ジャーナリストは何をすべきなのか---。それが私の根本の問題意識だっ た。

 そう考えると「メディアの自立」という命題はごく自然に出てくる。メディアが官僚や政治家、政党から自立していないなら、そんなメディアが発信す る情報や分析にたいした意味はない。なぜなら官僚や政治家、政党自身が直接、発信する情報を読んだほうが、よほど正確でかつ内容も深いからだ。

 メディアの情報や分析に意味があるとすれば、官僚や政治家、政党の情報をメディア自身がしっかり評価、分析して、独自の立場から報道し、論じるからではないのか。

 私はそう考えた。

(3)

 だから、私のコラムは初めから中立性とか客観性といった日本の新聞が大好きな物差しが当てはまらない。これは文字通り「私のコラム」である。それ くらい私の立ち位置、判断の座標軸を強く意識して、ようやく「メディアの自立」につながっていくのではないか、という考えがあった。はっきり言えば「間 違っても、霞が関の物差しなんかに縛られないぞ」という気分である。

 その結果、ときには独善に陥ったり、見当違いになった場合もあるだろう。言うまでもなく私と読者は価値観や知識、経験も違うのだから、それは当然でもある。そういうご批判があれば、ありがたく甘受する。批判を受けるのは、もとより覚悟の上だ。

 それでも偏見と言われるくらい、思い切って書かなければ、いつまでたっても、メディアは自分の足で立てない。言い換えれば「官僚のポチ」であり続けてしまう。そういう危機感があった。

無色透明な情報など存在しない

 一方、相変わらず「新聞をはじめメディアは中立で客観的であるべきだ」という議論もある。読者は白紙の状態で新聞を読むのだから、新聞自身に色がついていたら困る。新聞は無色透明な情報を提供するのが役目で「色を考えるのは読者に任せるべきだ」という話でもある。

 はたしてそうか。私は色がついていない「無色透明な情報」というのは存在しないと思っている。情報には、みんな色がついている。それは同じ顔をし た人間がいないようなものだ。情報を発信する側には必ず意図や思惑がある。官僚には自分たちの既得権益を拡大したいという思惑があり、政治家には権力を握 りたいという意図がある。

『政府はこうして国民を騙す』
著者:長谷川幸洋
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 そういう情報を扱う職業人としてのジャーナリストは、自分なりの座標軸をしっかり定めたうえで、何をどう伝えるか、絶えず新しい方法を探っていくべきだと思う。自分の座標軸は仕事の前提である。それがないジャーナリストは単なる情報伝達係のようなものだ。

 ジャーナリストには、フリーランス記者と新聞のような組織に属する記者の2通りがある。私の場合は少し変わっていて、新聞社の論説副主幹として社 説を書く一方、雑誌やネットにも書き、ツィッターで発信し、テレビやラジオにも出演する。私の所属する新聞社は幸いなことに、私に完全な言論活動の自由を 保証してくれている。

 念のために言えば、私が署名入りで書いた記事やテレビ、ラジオでの発言はすべて私個人の意見だ。東京新聞中日新聞の主張ではない。私は東京新聞を代表して発言しているわけでもない。

(4)

 ときどき私の意見が東京新聞の主張であるかのように受け止める読者もいるが、それはまったくの誤解である。私の意見が両紙の社説と同じ場合もある し、異なる場合もある。複数の論説委員たちによる議論の末に決まる社説の内容がいつも私の意見と同じだったら、むしろそのほうがおかしいだろう。

 私はフリーランス記者を基本的に尊敬している。彼らは仕事の場で多くの困難に直面しながら、自由な報道と論評を続けようと懸命に努力している。私は恵まれた立場にいるからこそ、自分の筆を曲げてはならない、と決心している。

 日本のメディアはいま変化の渦中にある。世間の批判を浴びて、なんとか信頼を取り戻そうと苦闘している。それでも世の中の多くの組織と同様、惰性 で動いている部分があって、なかなか変われない。組織だけでなく個々の記者も苦闘中だ。「現代ビジネス」で書いてきたような記者の主観的なコラムが、あち こちの新聞にたくさん載るような時代が早く来ないか。そうなったら、面白い。

『政府はこうして国民を騙す』著者:長谷川幸洋
(講談社刊) 3~9ページより抜粋

 

*****

目次

はじめに  3

第1章 情報操作は日常的に行われている

1. 資源エネルギー庁長官が「オフレコ」で漏らした本音  31
2. 「オフレコ破り」と抗議してきた経産省の卑劣な「脅しの手口」  38
3. 今度は東京新聞記者を「出入り禁止」に! 呆れ果てる経産省の「醜態」  44
4. 取材から逃げ回る経産省広報と本当のことを書かない記者  54
5. 事実を隠蔽する経産官僚の体質は「原発問題」と同根である  62
6. 辞任した鉢呂経産大臣の「放射能失言」を検証する  70
7. 「指揮権発動」の背景には何があったのか---小川敏夫前法相を直撃  78
8.陸山会事件でっち上げ捜査報告書」を書いたのは本当は誰なのか  89
9. 「捜査報告書問題」のデタラメ処分にみる法務・検察の深い闇  98

第2章 政府は平気で嘘をつく

10. 経産省幹部が封印した幻の「東京電力解体案」  115
11. 東電の資産査定を経産官僚に仕切らせていいのか  124
12. 賠償負担を国民につけ回す「東電リストラ策」の大いなるまやかし  129
13. お手盛り「東電救済」---政府はここまでやる  134
14. 国民には増税を押しつけ、東電は税金で支援。これを許していいのか  140
15. 資金返済に125年! 国民を馬鹿にした政府の「東電救済策」  146

(5)
16. 不誠実極まりない枝野経産相の国会答弁  154
17. 「東電国有化」のウラで何が画策されているか  159
18. 原子力ムラの「言い分」を鵜呑みにしてはいけない  164
19. 大飯原発再稼動---政治と官僚の迷走ここに極まれり!  170
20. 様変わりした抗議行動---反原発集会で感じた新しい動き  178
21. 野田政権が決めた「原発ゼロ」方針は国民を欺く情報操作である  187
22. 東電のギブアップ宣言  194

第3章 迷走する政治、思考停止したメディア、跋扈する官僚

23. いい加減、財務省べったりの「予算案報道」はやめたらどうか  206
24. 増税まっしぐら! 財務省の「メディア圧力」  212
25. 日銀のインフレ目標導入でメディアの無知が露呈した  216
26. 官僚たちがやりたい放題! 野田政権「日本再生戦略」には幻滅した  223
27. 増税に賛成したメディアは自らの不明を恥じるべきだ  228
28. もはや用済みの野田首相財務省にポイ捨てされる日  235
29. 「年内解散」を的中させた私の思考法を公開しよう
30. 安倍自民党総裁の発言を歪めたメディアの大罪  247

おわりに  256

 

長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
ジャーナリスト(東京新聞中日新聞論説副主幹)。1953年千葉県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。ジョンズホプキンス大学高 等国際問題研究大学院(SAIS)で国際公共政策修士。財政制度等審議会臨時委員、政府税制調査会委員などを歴任。12年から大阪市人事監察委員会委員  長。『日本国の正体政治家・官僚・メディア---本当の権力者は誰か』(講談社)で第18回山本七平賞。『百年に一度の経済危機から日本経済を救う会議』(高橋洋一との共著、PHP研究所、2009年)、『官僚との死闘700日』(講談社、2008年)など著書多数。『週刊ポスト』でコラム連載中。テ レビ朝日「朝まで生テレビ!」、BS朝日「激論!クロスファイア」、読売テレビたかじんのそこまで言って委員会」などテレビ、ラジオ出演多数。 twitterアカウントは@hasegawa24

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