「北の山・じろう」時事問題などの日記

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【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】《第8回~10最終回》アーニー・ガンダーセン{星の金貨プロジェクト}

 

 

星の金貨プロジェクト(から全文転載)
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福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】《第8回》

 投稿日: 2012年10月17日 作成者: admin   
http://kobajun.chips.jp/?p=5379

 

肝臓、心臓、脳、筋肉、骨…すべての場所に生命の危険の兆候が
いたる所に現れ始めた放射線の影響、認めたくない日本社会
日本の医師たちはすでに、様々な症例に遭遇しているはず
日本の人々は、危機を脱してなどいない
[対談 : アーニー・ガンダーセン氏&ヘレン・カルディコット博士]

フェアウィンズ 9月20日


カルディコット : そしてこれは氷山の一角に過ぎません。

今度は内部ガンマ線により、各種のガンの発症が始まりつつあります。
彼らの肝臓、彼らの心臓、彼らの脳、彼らの筋肉、彼らの骨やその他、すべての場所に生命の危険の兆候が現れ始めているのです。

ガンダーセン : そうなってしまうのです。だからこそ私たちは希ガス化学物質、放射性ヨウ素、そしてさまざまな種類のセシウムについて、深刻な問題として取り上げているのです。
セシウム134、セシウム137、ストロンチウムルビジウム、その他の放射性物質について。

カルディコット : あなたは原子力技術者ですね。この問題についての情報をもっと教えていただけませんか、アーニー。きっと人々の役に立つと思うのですが。

ガンダーセン : 私が一番心配しているのはウラニウムそのものです。
実は日本で核燃料がメルトダウンを起こしたことの証拠集めを行っていた際、収集したサンプルの中にウランが混じっていました。ウランのように非常に重い物質が300km以上離れた場所で発見されたことに、私たちは驚いています。
東京で採取したサンプルの中にウラニウムがあったのですから。
これは原子炉の内部などから、直接外に漏れ出したものがあることを証拠立てるものなのです。
100マイル離れた場所の異なる2軒の家の中に、全く同じ塵が落ちていたことを証明する資料が、ヨーロッパで作られたことがありました。
ただし私たちが今話しているのは、1立方メートル当たり184kgの重量があり、1秒間に100,000回の放射性崩壊を起こす塵についてです。
そしてこの塵が大量に確認されているのです。
このことにも、日本人は目を閉ざし、問題の存在を認めていません。

カルディコット : うーん…


ガンダーセン : ですから福島第一原発から100マイル(約160km)離れて暮らしている人々は、肺の中、口の中に、その他の器官にこの放射性物質である塵を貯めこんでいる可能性があります。
ですから日本の人々は、危機を脱してなどいないのです。
そして先ほども別の問題においても指摘した通り、日本の政府や自治体はこの問題を認めようとしないのです。
さらに不幸なことは、日本の医学界もこうした政府や自治体の対応に、同調してしまっていることです。
日本の医学界は、ヒポクラテスの誓いを忘れてしまっているのではないでしょうか。
実際には様々な症例に遭遇しているはずですが、それが放射線によるものだと証言することを拒否し続けているのです。

カルディコット : 福島の子供たちの甲状腺に異常が現れ始めたことを除けば、私たちはまだ、これが放射線によるものだ、という具体的症例には遭遇していません。
しかし正常な白血球数が減少し始め、白血病の領域に近づき始めている症例、そして肺の機能に異常を呈し始めている子供たちが確認されるようになりました。
そして鼻血を出す子供たちの症例が多数報告されていますが、これは血小板の数が減少している可能性があり、放射線被ばくの影響が考えられます。

これらはすべて放射線による障害の警告として扱われるべきですが、日本では闇から闇に葬られています。


そして医療。症例によって放射線の脅威に目を向けるべきだとの警告が発せられることは、まず期待できません。この症例でも、別の症例でも、あれも、これも…
環境疫学(環境要因が与える人体影響について調査すること)に基づく研究が必要になります。被ばくした人々と、影響を受けなかった人々との比較研究を行わ なければなりませんが、そのためには何年も何年もかかります。多額の費用が掛かりますし、時間もかかります。見たところ、日本の医師たちはあまり乗り気で はないようです。

もう一つの問題は病院の検査結果や福島の被災地で実施された各種の調査結果、これら本当の結果を手に入れようと思っているのですが、今のところ壁にぶつかったままです。
正しい資料が無ければ私は何も判断する事が手来ませんし、医師なら誰でもそうだと思います。
現在私たちは暗闇の中を手探りで真実の資料を手に入れようとしていますが、真実を確認できずにいる状態です。
しかしこれので明らかになったデータを検証する限り、日本の状況はきわめて深刻である、そう結論せざるを得ません。

ガンダーセン : あなたのご見解とは明らかに逆の結論に達した記事が、つい最近ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されました。この記事、残念な事は福島の事故により 日本が原子力発電を止めてしまった事であり、これから30年間、福島第一原発の事故の影響による死者は100人前後だと書いています。

カルディコット : ええ、知っています。


ガンダーセン : 私はスリーマイル島の事故の一部始終を、専門家として検証しました。
この時も原子力産業界は、同じような事を言ったのです。
彼らは事故による影響を出来るだけ小さく、放出された放射線による被ばく量を出来るだけ小さく、さらには被ばくした人々の数も出来るだけ少なく見せようとしました。
あげく、内部被ばくについてはも触れようともしなかったのです。
そうして今回ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたような、あり得ないような低い数字を公表したのです。

カルディコット : はい、そのウォール・ストリート・ジャーナルの記事は私も読みました。よくもこんな記事を書けるものだと、お考えになりませんか?
この記事を書いたのはひとりの物理学者ですが、彼は放射線生物学を理解していませんし、内部被ばくについてまったく無視しています。

この手の、金や権力に媚び、あらゆる状況を検証もせず安易な安全論を口にする科学者は、原子力発電の推進者よりも悪質です。


あなたがおっしゃるように科学者がごまかしを言ってはなりませんし、まして医療の分野においてはごまかしなどは論外です。
医療の分野でごまかしを行えば、患者の様態を悪化させるか、死に至らしめるか、そのどちらかになってしまいます。
そのようなごまかしを行えば、私たちは医師免許を剥奪される事になります。
医療にごまかしは許されないのです。
自分自身が何を言っているのか、それすら理解できない人々にコメントする権利はありません。

それでもあえて口を出そうとするなら、彼らは犯罪者と呼ばれるべきです。

なぜならこうした科学者たちが口を出す事で、人々は真実がわからなくなり、その結果自分の身を守れなくなってしまうからです。その結果行き着く先は…
身を守れなくなった人々はやがて病気を発症し、場合によってはしに至る事があります。
この良心の無い科学者の問題は、きわめて、きわめて深刻な問題なのです、アーニー。

ガンダーセン : 私が日本政府、そして社会構造に対して平静ではいられない点も、まさにそのことです。
世界中の医師は、医師になるときヒポクリティック(hypocritic – 偽りを語る者、という意味)の誓いを立てているはずです。

カルディコット : あら、アーニー、ヒポクリティックでは無く、正しくはヒポクラティスですよ。似ていますけど、でも確かに…


ガンダーセン : そうそう、あなたのおっしゃる通りでした。ヒポクラテスの誓いを立てた医師の事ではなく、日本のごまかしばかりを言っている人間についての話になってしまいました。

カルディコット : 本当にそうですね(笑)。

ガンダーセン : そう、私が心配しているのは、医師たちが被災してしまった人々を助ける事より、国家の利益を優先してしまっている、という事なのです。
〈つづく〉

http://www.fairewinds.org/ja/content/ongoing-damage-and-danger-fukushima
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星の金貨プロジェクト(から全文転載)
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福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】《第9回》
 投稿日: 2012年10月18日 作成者: admin   
http://kobajun.chips.jp/?p=5418

金や権力に媚び、あらゆる状況を検証もせず安易な安全論を口にする科学者、彼らは原子力発電の推進者よりも悪質
使用済み核燃料を最終的にどう処分するのか、原子力業界の幹部たちは、この問題に決して触れようとしない
原子力産業界が主張する廃棄物の再処理、再処理が成功した事など無い
[対談 : アーニー・ガンダーセン氏&ヘレン・カルディコット博士]

フェアウィンズ 9月20日


カルディコット : そしてこれは氷山の一角に過ぎません。

この手の、金や権力に媚び、あらゆる状況を検証もせず安易な安全論を口にする科学者は、原子力発電の推進者よりも悪質です。

あなたがおっしゃるように科学者がごまかしを言ってはなりませんし、まして医療の分野においてはごまかしなどは論外です。
医療の分野でごまかしを行えば、患者の様態を悪化させるか、死に至らしめるか、そのどちらかになってしまいます。
そのようなごまかしを行えば、私たちは医師免許を剥奪される事になります。
医療にごまかしは許されないのです。
自分自身が何を言っているのか、それすら理解できない人々にコメントする権利はありません。

それでもあえて口を出そうとするなら、彼らは犯罪者と呼ばれるべきです。

なぜならこうした科学者たちが口を出す事で、人々は真実がわからなくなり、その結果自分の身を守れなくなってしまうからです。
その行き着く先は…
身を守れなくなった人々はやがて病気を発症し、場合によっては死に至る事があります。
この良心の無い科学者の問題は、きわめて、きわめて深刻な問題なのです、アーニー。


ガンダーセン : 私が日本政府、そして日本社会の仕組みに対して平静ではいられない点も、まさにそのことです。
世界中の医師は、医師になるときヒポクリティック(hypocritic – 偽りを語る者、という意味)の誓いを立てているはずです。

カルディコット : あら、アーニー、ヒポクリティックでは無く、正しくはヒポクラテスですよ。似ていますけど、でも確かに…
ガンダーセン : そうそう、あなたのおっしゃる通りでした。ヒポクラテスの誓いを立てた医師の事ではなく、日本のごまかしばかりを言っている人間についての話になってしまいました。

カルディコット : 本当にそうですね(笑)。

ガンダーセン : そう、私が心配しているのは、医師たちが被災してしまった人々を助ける事より、国家の利益を優先してしまっている、という事なのです。

カルディコット : もう一つ、これまで議論してきた事と、また別の疑問があるのですが。
使用済み核燃料を格納している、プールの冷却に使った水についてです。
この水もまた、高い放射性を帯びているのでしょうか?
そして今どうなっているのでしょうか?
24時間循環し続けているのですか?
この水は最初に原子炉そのものを、冷却するために使用された水なのでしょうか?
この水こそが主要な冷却手段なのですか?
使用済み核燃料プールの中にある水と、原子炉を直接冷却している水の放射性濃度は同じなのでしょうか?

ガンダーセン : 原子炉4号機の汚染は、4号機の使用済み核燃料プールと比較すれば、低くなっています。
しかし原子炉そのものを冷却し、浄化装置を経由しながら循環している冷却水の汚染濃度は、どの使用済み核燃料プールの水よりも高く、普通では考えられないほどひどく汚染されています。
使用済み核燃料は損傷している事が考えられ、プール内が汚染されている事は明らかですが、しかし格納容器内の、原形をとどめていない核燃料に接している冷却水の汚染とは比較になりません。
核燃料プールと原子炉は、それぞれ別の冷却システムを使っています。

カルディコット : そうですか。


ガンダーセン : しかし、これらの水はまだきれいな方なのです。そもそもの始まり、他のどこでも無く、最初から原子炉内にあった水、その汚染は極めて深刻です。

カルディコット : そしてこれが本当に最後の質問になります、アーニー・ガンダーセン。
日本はこの使用済み核燃料を、どうするつもりなのでしょうか?

ガンダーセン : これこそが大きな難題なのです。
あなたにはお話ししましたが、私は来週、8月27日から9月7日まで、福島の問題を検証するために日本に行ってきますが、この問題が最も大きなテーマの一つになるでしょう。

使用済み核燃料を最終的にどう処分するのか、原子力業界の高い地位にいる人々は、この問題に決して触れようとしません。

一体どこに持っていくつもりなのでしょうか?
原子力産業界は、あたかも再処理が存在するかのような説明をしています。

六ヶ所村の再処理施設群。稼働できる可能性は極めて低いが、稼働すればしたで、原発が排出する汚染水一年間分を一日で、「毎日」海に放出することになる。


しかしもちろん、再処理が成功した事など無いのです。
〈つづく〉

http://www.fairewinds.org/ja/content/ongoing-damage-and-danger-fukushima
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いよいよこの連載も、残すところ明日の最終回のみとなりました。
訳し終えてみれば、A4版でちょうど30枚という長さでした。

しかし、いま原子力の問題について最も信頼できる少数の科学者である、カルディコット博士とガンダーセン氏が明らかにしてくださった、福島第一原発の現状については、一人の日本人として大きな失望感、いや敗北感を持たざるを得ません。

この連載をご覧いただいた上で、(すでに多くの方がお読みになっていらっしゃるとは思いますが)小出裕章氏の著作『原発のウソ』をお読みいただくと、無責 任以外の何物でもない原子力発電の運営により、日本という国が、いかに危険な状況にあるのか、ひとつひとつを肌を刺すように、心に突き刺さるように、理解 することができます。

これらを読んだ後で、日本が今後も原子力発電を続けてもよい、と思う人はいないと思います。
ではなぜ日本の財界、そして自民・民主は原子力発電の継続を声高に叫んでいるのでしょうか。

既得権、利権という事もあるでしょう。
しかしもっと見過ごせないことがあります。
それは彼らは国民のため何かしようとしているのではなく、国民を利用して自分たちの価値観を守ろうとしていることです。

少し近代日本を振り返ってみましょう。
江戸時代は、徳川家という家族の安泰を守るための体制が260年続きました。
続く明治期は太政官制による有司専制、つまり官僚が国家の方針を『専断』する時代が続きました。
井上馨のような私利私欲の権化もいましたが、大久保利通のような私欲の少ない官僚も多かったため、権力の横暴も目立ちましたが後年の発展の基礎を築くことができました。

しかし明治が終わると、肥大化した官僚と軍部により、日本はとんでもない方向に走り出し、昭和10年代、国民の命は信じられない程安いものになり、『南 方』や中国大陸で日本人兵士は無意味な死を繰り返し強いられ、ソ連の参戦により満州地区にいた官民が大量に虐殺され、挙句2発の原爆投下によって日本帝国 は無残な結末を迎えました。
この10年間を一言で表現するとすれば、到底実現不可能な『帝国建設』の妄想を抱いた軍部・官僚が、国民を徹底的に利用した時代だと言えるのではないでしょうか。

そして現在、太平洋戦争 = 第二次世界大戦が終わって70年近くが経つにも関わらず、また同じことが繰り返されようとしているように感じます。
福島第一原発の事故後の、福島の人々に対する『扱い』を見れば、そのことを感じ取ることができます。

被災者の方々の人権に対する政治の配慮を、あなたは感じますか?
被災者の方々の苦しみを和らげたいという願い、今の政治家に感じますか?
一日も早く被災者の方々の未来を再建したい、その熱意が日本の『二大政党』にはありますか?

このままの政治が続けば、福島の被災者の方々の姿は、明日の私たちの姿です。
『いつか来た道』に迷い込まないために、福島の人々の真実の姿を常に心に置いて行動する、それが『今の日本人』に課せられた使命だと思います。

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【 危険の過小評価、事故対策の手抜きを認めた東京電力

アメリカCNNニュース 10月12日

完全に破壊された福島第一原発4号機の原子炉建屋。2012年5月。


12日金曜日、昨年の巨大地震と津波により大惨事となった事故を引き起こし、壊滅した福島第一原発の運営企業が、原子力発電所が操業を停止しなければならなくなることへの恐れから、事故のリスクを過少評価していたことを認めました。

福島第一原発を運営する東京電力は、2002年に採用された『格納容器のベント作業及び原子炉間の複数電源確保対策』などを含めた『シビアアクシデント規制対策』を採用したものの、それ以降は何ら具体的対策をとっていなかったとしています。

さらに東京電力は具体的対策を講じれば、地元の『原発への懸念に火をつけ、ひいては反原発運動が一気に過熱してしまう事になる』ことへの恐れがあった、と付け加えました。

金曜日に公表された報告書には、東京電力福島第一原発の安全を守るための対策を怠っていた、という決定的表現が盛り込まれていました。
これらの対策が取られなかったために、福島第一原発は莫大な量の放射性物質を環境中にまき散らし、発電所の周囲で暮らしていた何万人もの人々が自宅、そして故郷を捨てることを強いられました。
その結果、1986年にウクライナチェルノブイリで発生して以来、最悪の原発事故が発生してしまったのです。

「シビアアクシデント対策の厳格な実施を求められれば、福島第一原発を一時休止させなければならなくなる、そのことに対する恐れの方が優先されてしまいました。」
報告書にはこう書かれていました。
「諸外国で採用されていたシビアアクシデント対策をもし実施していれば、多様な安全対策を施すことは可能でした。」

この1年間、東京電力福島第一原発事故の根本原因の究明に積極的に取り組まず、世間の厳しい目にさらされてきました。
先に公表された政府の事故調査・検証委員会の最終報告書の中では、東京電力や原子力規制機関の災害対策は『不充分』であり、事故後の対応は『不適切』なものだったと指摘されていました。

http://edition.cnn.com/2012/10/12/world/asia/japan-tepco-report/index.html?hpt=ias_c2

 

星の金貨プロジェクト(から全文転載)
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福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】《最終回》
 投稿日: 2012年10月19日 作成者: admin   
http://kobajun.chips.jp/?p=5436

 

事故現場から取り出した核燃料を持っていける場所など、どこにも無い!
もはや日本には、どのような解決手段も無くなってしまった…
『国外への運びだし』を、必死に模索する日本
[対談 : アーニー・ガンダーセン氏&ヘレン・カルディコット博士]

フェアウィンズ 9月20日


ガンダーセン : 高速増殖炉のもんじゅは事故を繰り返すばかりで、これまでにかかった費用は、巨額という表現すら愚かしい程の恐ろしい金額になっています。

日本は地震が多発する島国であり、あちこちに断層があるため、事故現場から高放射性核廃棄物を取り出したところで、どこにもおく場所が無いのです。
日本は現在、これをモンゴルなどの国外に運び出す事が出来ないか、検討しているのです。

カルディコット : それは本当ですか?!

ガンダーセン : モンゴルは賢明にも、そんなものは要らないと言っています。
もはや日本には、どのような解決手段も無くなってしまいました。
日本の当局は決して認めようとしませんが、地球上で最も地震が多発する岩盤上に存在する国、それが日本なのです。

この問題に答えを出せる人間など、この地上に存在しないのです。

カルディコット : 私の祖国であるオーストラリアに送ろうなどと、言い出す人間が決していませんように…


ガンダーセン : 日本人はとにかくこの高放射性核廃棄物を国外に持ち出したい、その一念だと私は確信しています。
なぜならこれまで私が話をした地震学者は、口を揃えてこう語っています。
地震が多発する日本の国土に、核廃棄物を「安全に」保管できる場所などどこにも無い。
この高放射性核廃棄物は最低でも数千年間、理想的には25万年もの間、「安全に」保管し続けなければならないのです。

カルディコット : まさに。
オーストラリアでは国土の真ん中を通って、核廃棄物を輸送するための線路を建設した会社があります。
ハリバートンという企業です。
ハリバートンのCEOが誰だかご存知ですね、アーニー?

ガンダーセン : ディック・チェイニー


カルディコット : カルディコット : ディック・チェイニー(アメリカの政治家、実業家。ブッシュ大統領時代のアメリカ合衆国副大統領)、その通りです。
彼こそはオーストラリアにとって、不吉な存在です。
ハリバートン社の鉄道線路のすぐわきに、先住民族であるアボリジニの人々が儀式を行う、マケイディー・ステーションと呼ばれる場所がある事がわかりました。
この場所は浅い帯水層の上に位置し、この帯水層はオーストラリアの砂漠地帯に古くから水を供給してきた、グレートアティジアン盆地の水脈とつながっている可能性があります。
そしてこの場所こそ、ハリバートン社が核廃棄物の一時保管場所を、建設しようとしている場所なのです。
ここにアメリカとオーストラリア間で現在も続いていると見られる、『国際原子力発電パートナーシップ』という名の協約があります。
ジョージ・ブッシュアメリカ合衆国大統領とジョン・ハロルド元オーストラリア首相が署名し、これにより諸外国の核廃棄物のオーストラリアへの持ち込みが可能になりました。
この『諸外国』にはアメリカも含まれるものと考えられます。
そして日本もこの協約に入り込む可能性があるのです。
なぜなら日本の原子力発電所の核燃料、ウランはオーストラリアで産出されたものだからです。
現時点で、オーストラリアにとって良くない諸条件が整いつつあります。

再処理施設内の核廃棄物。英国。


ガンダーセン : これまで原子力発電を支持する人間たちが、核廃棄物の保管は『もちろん』安全に行われていると、人々に信じ込ませようとしてきたことをお話ししました。
彼らは25万年もの間、高放射性核廃棄物を安全に保管する方法を知っているのです?!
そして同じ人間たちが、太陽光発電では夜通し充分な電力を供給することは不可能だと主張しているのです。
笑うしかないでしょう?!
人間が高放射性核廃棄物を25万年間も安全に保管する技術を持っているなら、再生可能エネルギーによる発電を軌道に乗せ、太陽光発電によって得られた電気を夜間利用することなど、簡単確実にできるはずです。

カルディコット : 太陽熱反応炉が現在スペインで建設されています。そして液体塩、融解塩による発電装置が建設されている場所もあります。
ですから、飽くまで原子力発電を推進しようとする人間たちが指摘する、再生可能エネルギーの欠点は『furphy』、ファーフィ、オーストラリアのスラングで言うところの『作り話』でしかありません。
そして最後にこうつけ加えさせていただきましょう。
原子力産業界が『安全だ』『安全は確保されている』という言葉を口にしたら、私は必ず、核廃棄物の問題について、人類はもうお手上げなのだという事を思い出すようにします。
そうそうこれも言わせてください、検査によってすい臓がんが発見されたら、そま人の余命は概ね半年です。
しかし私は腕の良い医者です、私に任せなさい、私が治療法を見つけてあげます。(笑)

太陽熱反応炉


ガンダーセン : この場にお招きいただき、ありがとうございました、ヘレン。

カルディコット : 改めてお礼申し上げます、アーニー。
皆あなたに感謝しています。

カルディコット : 今日、『もし地球を愛するなら』にご出演いただいたのは、アメリカで30年間原子力工学に携わり、様々な場でアドバイザーとして活躍しておられるアーニー・ガンダーセン氏でした。
彼は最も人気のあるゲストです。
福島の現状について分析し、その将来を見通すのに、これ程適任の方は他にはいらっしゃいません。それはあなたが今日、お聴きになった通りです。

〈 完 〉

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長い連載が終了しました。
最後までお読みいただいたみなさんに、翻訳の行き届か無い点が多々あったことにつき、お詫び申し上げます。

それにしても現在日本が、本当に容易ならない状況にあることが解りましたし、お分かりいただけたと思います。
アーニー・ガンダーセン氏とヘレン・カルディコット博士は、原子力発電に対する世界の良心を代表する存在として、福島第一原発の事故発生以来、あらゆる場で、あらゆる問題の存在について指摘を繰り返されてきました。
その指摘が、たとえば国内では京都大学の小出裕章氏のような方の指摘と重なるとき、私たちの胸に危機の本質が刻まれることになりました。

今回の連載でも度々指摘がありましたが、日本の政界、そして原子力産業界の『エイタブリッシュメント』の危機感の無さ、正しい認識の欠如は、それ自体が日本の危機だという事を痛感しました。

日本で原子力発電が開始されて40年以上が経っても、本当の意味での「最終処分」の手がかりさえつかめない高レベル放射性核廃棄物。
それを日本全土で作り続け、『世界有数の地震の巣』の上に大量に抱え込んでいる日本。
地震、大火災などが発生して対応を誤れば、たちまち破局を迎える環境で暮らしているのが、私たち日本人だという指摘は、『重い』などというありきたりの言葉では表現できない程深刻です。

「政権を奪還したら、再び全国の原子力発電所を再開するだけでなく、新規建設もどしどしやる。」
こんな考えを持っている政治家たちを、これ以上権力に近づけてしまったら、日本は太平洋戦争を上回るリスクを抱え込んでしまうことになるでしょう。
こんな考えを持つ政治家には一票たりとも票を入れさせない、その覚悟を固め、発信し、行動することの大切さを、今痛感しています。

第9回の掲載が、手違いにより時間がずれてしまったことをお詫び申し上げます。

なお、後日、10回分の要約版を作成し、後日を前篇・後篇ぐらいに分けて再掲載したいと考えています。
よろしくお願いします。

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