「北の山・じろう」時事問題などの日記

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サカナの汚染状態(2012年4月) 武田邦彦(中部大学)

サカナの汚染状態(2012年4月)
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平成24年4月26日 武田邦彦(中部大学)

原発事故から1年あまりがたち、サカナの汚染はやや減少してきたものの、やはり海ですからすぐになくなっていく訳でもありません。

汚染全体は太平洋側の神奈川沖から北海道までにひろがっていて、さらにハワイの方までいっています。日本の原発の事故のために外国の人まで心配をかけていることを原発再開などと考え合わせて、日本人の誠意を示したいものです。

人間には最低限の誠が必要です。自動車を運転して大きな事故を起こしたら、自分は少し不便でもしばらく運転を自重するのが当然で、夏のクーラーをかけられないから、事故原因もハッキリしないのに原発の運転を再開することが議論されていること自体、恥ずかしいことです。

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ところでサカナの汚染ですが、この表(水産庁データ)に見られるように2月頃まで福島沖のサカナは1キロあたり50ベクレルから1500ベクレルととても食べられる状態ではありません。1キロ40ベクレルが本当の意味での汚染の限度ですからまったくダメです。(表をクリックすると少し見やすくなります)

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福島の浜通りを中心とした川魚では2万ベクレル近いもの(安全限度の500倍)というものもあります。川魚は福島ばかりではなく、かなり遠くに離れた川のサカナも汚染されています。

これは川は塩水ではないので、元素不足になりがちなので、サカナは体に元素(たとえばセシウムストロンチウム)を取り込みやすいのです。まだ川魚は避けた方が良いでしょう。

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北海道の太平洋側はかなり良くなってきました。この表ではわずかですが汚染されている状態ですが、この1ヶ月ほど前はマダラが31ベクレルでしたから、まだ警戒する方が良いと思います。特に数10ベクレルという数値は子供には食べさせたくないところです。

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最近の割合良い状態で、銚子沖で10から30ベクレル程度とやや良くなってきています(まだ子供は注意)。しかし、セシウムはある程度わかっていても、サカナの骨にたまるストロンチウムはほとんど測定されていません。

カルシウムを取るために小魚を食べる人もいますが、ストロンチウムはカルシウムと性質が似ているので、サカナの骨にたまり、人間の骨に移って白血病の原因になります。さらにややこしいことは生ゴミが燃やされるとストロンチウムが空気中に飛散することです。

もともと原発ではセシウムストロンチウムがそれぞれ6%ずつできますが、セシウムは揮発しやすいので大気中にでて、ストロンチウムは海にでるはずなのですが、測定値は低いという問題点があります。

結論としては、やはり神奈川沖から北海道太平洋沖までのサカナはもう少し様子をみること、川魚、海藻、貝類も避けた方が良いでしょう。