【原発汚染水漏れ】抜本的な対策を急ぎたい(社説)<高知新聞>
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【原発汚染水漏れ】抜本的な対策を急ぎたい(社説)
2013年04月11日08時05分
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福島第1原発敷地内の地下貯水槽から、放射性物質に汚染された水が漏れ出す事態が相次いでいる。
東京電力は汚染水をタンクに移す方針だが、保管容量は限界に近づいている。増え続ける汚染水の処理が進まなければ、40年以上ともされる廃炉作業は完遂できない。
国と東電は、より踏み込んだ汚染水対策の検討を急がなければならない。
同原発では原子炉建屋などの地下に1日約400㌧の地下水が流入、原子炉を冷やした水と混ざって大量の汚染水が発生している。汚染水は放射性セシウムなどを除去した後、一部は冷却水として再利用するが残りはタンクと七つある地下貯水槽で保管する。
漏水は三つの貯水槽で確認された。うち一つからは最大で120㌧が流出、含まれる放射性物質は7100億ベクレルとみられている。事故の危機が続いていることをあらためて示したといえる。
茂木経済産業相は七つの貯水槽の使用をできるだけ早くやめ、タンクに移送する方針を示した。だがタンクの空き容量は少なく、増設するにも敷地は限られる。タンクの腐食防止策も必要になってこよう。
移送までの間、貯水槽を使うのならなぜ漏水が起きたのか、原因究明と防護対策が欠かせない。しかし、「応急手当て」だけでは早晩、限界が訪れよう。より長期的な視点に基づく抜本的な対策が求められる。
まずは地下水の流入を抑える必要があるが、流入場所は特定できていない。東電は井戸を掘って地下水をくみ上げ流入量を減らす計画だ。効果は限られるともされるが、できることはすべてやるべきだろう。
試運転中の「多核種除去設備」も早期に本格稼働させたい。汚染水から約60種類の放射性物質を取り除けるが、それに伴って生じる高濃度廃棄物をどうするかという問題は残る。
東電は除去設備で処理した水を海に放出することも模索している。だが、こちらも地元の反発は必至だ。
こうした難題の数々を東電だけで解決できるのか。使用済み核燃料プールの冷却停止などトラブル続きだけに、不安視する声は大きくなっている。
東電の収束作業を監視すべき原子力規制委員会のチェックも甘い。東電、国、規制委が知見を出し合い緊張感を持って汚染水対策に臨まなければ、廃炉への道は遠くなるばかりだ。
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