東日本大震災:福島第1原発事故 廃炉工程表前倒し 燃料位置さえ不明 廃炉終了時期変わらず<毎日新聞>
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東日本大震災:福島第1原発事故 廃炉工程表前倒し 燃料位置さえ不明 廃炉終了時期変わらず
毎日新聞 2013年06月11日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130611ddm002040088000c.html
▼全文転載
東京電力福島第1原発事故で、原子炉に残った溶融燃料の取り出し開始を最大1年半、前倒しする改定案が 10日公表された。しかし、廃炉予定時期は「30〜40年後」と当初計画のままだ。溶融燃料の場所なども把握できていないのが実態で、新たな技術開発が伴 わなければ工程表は「絵に描いた餅」になる可能性もある。
福島原発では1〜3号機の原子炉に計1496体、1〜4号機の使用済み核燃料プール内に計3106体の 核燃料がある。原子炉内の燃料は「デブリ」(塊の残骸)と言われ、金属などと混じり合って固まっているとみられる。燃料は1体約300キロ。散らばった放 射性物質の塊約450トンを遠隔操作で切断し、回収するには高度な技術を要する。
前倒しには炉内を水で満たす「冠水」作業の成否も鍵になる。放射線を遮蔽(しゃへい)するための手法で米国のスリーマイル島原発事故(1979年)でも同様の方法が採用された。ただし、福島原発では水をためる原子炉に穴が開いており、損傷場所の特定・修理作業が課題だ。
このため、スリーマイルでは燃料の取り出しまでに約6年かかったが、福島の場合は前倒ししても、事故発生から10年程度かかることになる。政府と東電は来年度中に、廃炉技術を精査したうえで、前倒しが可能かどうかを最終判断する。
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