「北の山・じろう」時事問題などの日記

 ☆今は、無きブログのタイトル☆ 『取り残された福島県民が伝えたいこと』 管理者名 「取り残された福島県民」 当時のURL>http://ameblo.jp/j-wave024/

【夜回り先生のエッセー】 哲学 「理性」「悟性」を磨こう<中日新聞>

中日新聞 CHUNICHI WEB
トップ >http://www.chunichi.co.jp/
夜回り先生のエッセー】
哲学 「理性」「悟性」を磨こう
2013年2月5日
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yomawari/list/CK2013020502000005.html
▼全文転載

 子どもたち、今日は、少し君たちの頭が痒(かゆ)くなるような哲学の話をしてみます。

 哲学では、一般的に、人間のこころの中に、「感性」と「理性」と「悟性」が存在すると考えます。子どもたち、こんな難しいことばを使われても何もわからないでしょう。それでは簡単に説明します。

 「感性」とは、感じたり思ったりする能力です。花を見て、美しいと感じたり、きれいな音楽を聴いて、こころが落ち着くと感じる。あるいは、逆に、 愛する人を亡くして、哀(かな)しいと感じたり、卑怯(ひきょう)なことをされて憎いと感じる。これが、「感性」です。この「感性」の豊かな人は、芸術家 に向いているでしょう。

 「感性」には、もっと原始的なものもあります。お腹(なか)がすいているときに、店頭に並ぶパンを見て、欲しいと思ったり、人が自分より良いもの を持っていて、自分も欲しいと思う。これも「感性」です。この「感性」の豊かな人は、気をつけてください。間違いをしでかす可能性大です。

 「理性」とは、考える能力です。目の前の美しい花を、摘み取り自分のものにしたいけれど、そうすれば困る人がいる。だから止(や)めよう。愛する 人がいるけれど、その人は別な人を愛してる。その大切な人を守るためにも、自らは愛を抑える。これが、「理性」の働きです。この「理性」は、良い人との出 会いや、きちんとした教育を通して、人が身につけていくものです。「理性」は、人が、社会の中で生きていく上で、最も大切なものです。この「理性」の優れ ている人は、人から愛され、そして幸せな人生を過ごしていくでしょう。

 「悟性」とは、「理性」を反省する能力のことです。たとえば、人のものを、欲しいからといって、奪うことは、人に迷惑をかける行為だからしないと いう、「理性」の決定があったとします。これは、これで、十分に尊いことです。でも、そこで、考えることを止めずに、なぜ、自分がそれを欲しかったのか。 奪うと、どのような結果になり、どのように迷惑をかけるのか。あるいは、もっと根本的に、ここにある欲望とは、人間にとって、どのようなものなのか。この ように、深く、その問題の本質まで考え、理論化していこうとする。これが「悟性」の力です。この能力の優れている人は、学者に向いているでしょう。

 子どもたち、私が、ここに難しいことを書いたことには理由があります。今、君たちを見ていて、「感性」だけで生きている人が多いと、感じています。お願いです。きちんと、「理性」、「悟性」も磨こう。明日のために。
中日新聞 CHUNICHI WEB CHUNICHI WEB トップ >http://www.chunichi.co.jp/


夜回り先生のエッセー一覧
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yomawari/list/index.html
哲学 「理性」「悟性」を磨こう(2013年2月5日)
救い  いい大人必ずいるから(2013年1月22日)
新年 生きている幸せ感じて(2013年1月8日)
道具 機器の奴隷になるな(2012年12月18日)
信じる 必ず出会えるから(2012年12月4日)
感じること 自然や人に触れて(2012年11月20日)
お遍路 ただ歩き救われる(2012年11月6日)
読書 総合芸術として一冊を(2012年10月23日)
苦しいとき 自然の中をただ歩く(2012年10月9日)
勇気 絶対いじめ認めない(2012年9月25日)
いじめ 被害を大人に伝えて(2012年9月11日)
からだを調える こころも元気に(2012年8月28日)
自然 外出し力もらおう(2012年8月14日)
性格 学ぶ中で変えられる(2012年7月31日)
TPO 素の顔、姿を大切に(2012年7月17日)
省エネ テレビ消す勇気を(2012年7月3日)
海の幸 旬の魚を味わおう(2012年6月19日)
仕事 何より普段の勉強(2012年6月5日)
人生の目標 有名人を目指さない(2012年5月28日)
仲間の死 志半ば、無念を思う(2012年5月21日)
買い物 「心」に出会える商店街(2012年5月14日)
規則 なぜあるのか考えて(2012年4月30日)
歌 傲慢さより自然の美(2012年4月23日)
豊かさ パリに負けない牧場(2012年4月16日)
歴史 「英雄」の陰に庶民の涙(2012年4月2日)
自分を見失う危うさ 不安な夜(2012年3月26日)
本音ぶつけてできる 親友(2012年3月19日)
苦しみ続ける人たち 震災1年(2012年3月12日)
意識して感じてみよう 優しさ(2012年3月5日)
こころ通じる一言を 親子の関係(2012年2月27日)
いのち守る大切な仕事 農業(2012年2月20日)
傷つけ命奪うことも 文字の恐ろしさ(2012年2月6日)
愛する家族、温かい家庭 幸せとは(2012年1月30日)
豊かな思い出作ろう 成人式(2012年1月23日)
何でもいい、学び続けよう 継続はちから(2012年1月16日)
3つのことば再確認 同窓会(2012年1月9日)
苦しむ人々忘れない 3・11の記憶(2011年12月19日)
からだ疲れさせ眠る ひたすら歩く(2011年12月5日)
自分で考えて書こう 卒論(2011年11月28日)
当たり前でなく幸せ 消防士の話(2011年11月21日)
「わからない」言う勇気を 勉強クラブ(2011年11月7日)
基本あっての抽象化 似顔絵(2011年10月31日)
厳しいが救いはある 仕事がない(2011年10月24日)
自分で病気を防ごう 生活を見直す(2011年10月17日)
家族とも点検しよう 避難訓練(2011年10月10日)
真の哀しさ伝えたい 被災地を撮る人(2011年10月3日)
振り返り反省しよう 秋に考える(2011年9月26日)
裸足でこそ力が湧く 大地を踏む(2011年9月19日)
「生きる」につながるから 忘れない (2011年9月5日)
歌のない音楽聴こう 芸術の秋には(2011年8月29日)
目を閉じて考えよう こころで見る(2011年8月22日)
削るだしで料理一変 本物の味 (2011年8月8日)
他人を通じ、初めて知る 自分の姿(2011年8月1日)
一番おいしい時に感謝 旬の魚(2011年7月25日)
必ず道はある、と信じて 生きざま(2011年7月18日)
変えるには時間をかけて 性格(2011年7月4日)
違っていい、理解し合おう おでんの具(2011年6月27日)
最高の収穫を求めて 脳に栄養を(2011年6月20日)
人の役に立ってみよう 自信がない(2011年6月6日)
苦しくても歩む力に 人生の目的(2011年5月30日)
我慢せずすぐ相談を こころがつらい時(2011年5月23日)
2日間、我慢できますか 依存症(2011年5月16日)
懸命に生きたら分かる 本当の美しさ(2011年5月9日)
恥を知る人となれ 祖父母の教え(2011年5月2日)
純真に動く姿に学ぶ 広がる支援の輪(2011年4月18日)
日々ふれる習慣を 報道(2011年4月4日)
がんばらなくていいよ 頼らない子(2011年3月28日)
困ってる人のため生きる 東日本大震災(2011年3月21日)
静かに過ごす時間を 目を閉じて(2011年2月28日)
“違い”を認め合おう 「原爆の火」と平和(2011年2月21日)
仲間意識もよみがえる 同窓会(2011年2月7日)