「北の山・じろう」時事問題などの日記

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「原発を停止すると、年間燃料費3兆円増」は、本当か???

(1)これは、去年原発事故後に(多分、資源エネルギー庁)政府系外郭団体が、計算した数字です。内訳に関しては、良く分かりません。それ以来、「3兆円」と言う数字が、「一人歩き」しています。原発の発電コストと似たような部分があります。
[PDF] 原発停止「負担増3兆円」のリスク試算 - みずほ総合研究所
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/opinion/eyes/pdf/eyes121205.pdf
燃料費
原発  1円(kWh)
LNG 11円(kWh)
石油燃料17円(kWh)
石炭  記載ナシ
内容を、引用すると以上の内訳となっています。

(2)現在、原発の発電コストは、5.9円になっているそうです。
総合エネルギー調査会原子力部会第70回 議事録
日 時:平成11年12月16日(木)14:00〜16:00
http://www.meti.go.jp/kohosys/committee/oldsummary/0000727/
住田委員(弁護士)
① まず、平成6年のときの原子力が9円だったのが、今回5.9円というふうに変わった
ということで、これはどういう原因なのかなということが一番知りたいところです。
②原子力発電予算→除外

と、言う事は平成6年の時のコスト試算は、「9円」だったのが、いつのまにか「5.9円」に変化したのですネ?
日経ビジネス
世界初、原発の見えなかったコストを解明する
日本のエネルギー政策、ゼロから出発するための第一歩
伊原 智人  【プロフィール】
2012年2月2日(木)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120130/226656/?rt=nocnt
原子力発電
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB#.E6.94.BF.E5.BA.9C.E5.86.85.E9.96.A3.E5.BA.9C.E3.81.AB.E3.82.88.E3.82.8B.E7.A6.8F.E5.B3.B6.E5.8E.9F.E7.99.BA.E4.BA.8B.E6.95.85.E5.BE.8C.E3.81.AE.E7.99.BA.E9.9B.BB.E3.82.B3.E3.82.B9.E3.83.88.E8.A9.A6.E7.AE.97
原発の発電単価
http://members.jcom.home.ne.jp/greenhands/cost/C_index.htm
1kWhあたり発電コスト 原発は10.68円で火力は9.9円との試算
2012.05.10 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20120510_106946.html
などを、読むとほぼ作り出された「ウソの数字」である事が分かります。

(3)もっと書きたいのですが、今回は原発が停止すると年間3兆円の負担増が、本当かどうかを考えて見ます。まず、ガスについては、東京新聞によれば、欧州価格の「4倍」の値段で購入しているとの試算が、、あります。それは、原油価格との連動式でガス価格の値段を決める方式で、随分昔に契約しそれを変更していないからです。欧州諸国はガス市場の価格で購入し日本は、原油並みの価格で購入していると、簡単に言うとこうなります。

(4)ところが、一番割高な「石油等」の発電能力に占める割合は、「19.1%」もあります。(ただし、これは稼働率を考慮していないと思われます)一方、割安な石炭火力は、「15.7%」となっています。もう、石油火力発電設備は、かなり古いと思います。石油ショック以降、ほとんど建設されていないはずです。設備の更新時期に来ている発電所は、石油に限らずあるはずです。なぜなら、原子力発電所を建設するのに合わせてバックアップ用の火力発電所も建設しているからです。古い原発が多いということは、古い火力発電所も多いということです。
資源エネルギー庁 エネルギー白書2010 - 発電電力量の構成(2009年度)
第2部 エネルギー動向
第1章 国内エネルギー動向
第4節
二次エネルギーの動向
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2010energyhtml/2-1-4.html


http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/dl/120522setsumei.pdf
この資料によると、石油の発電に占める割合は、2010年度で、「約8.3%」となっています。
現在、原発は2基しか稼動していないので、石油火力発電所の稼働率があがり、「19.1%」の方に近くなっているのでは、ないかと思われます。

(5)ガスや石炭を、エネルギー源にして世間並みの価格で購入すれば、「3兆円」と試算されている燃料購入費は、かなり圧縮できるはずです。そして、2009年度で「19.1%」を占めている石油火力発電所の発電能力を、ガスと石炭に置き換えるなら、燃料購入費全体では、かえって廉くなるのでは、ないかと推測します。(6)の資料を見ると、石油価格は、ダントツにコストが高いのが分かります。そして、石油火力発電所の稼動率が、上限に近いくらい上昇しているであろう事を考えると「3兆円」の内訳のうち、原油の占める割合が、かなりあると思います。そして、ガス購入価格を原油連動型の値段で計算しているなら、こちらもかなり割高になります。

以上を、考え合わせると「ガスまたは石炭火力発電所」を、出来るだけ速く建設して、石油を燃料とする火力発電所を、停止する(石油を発電の燃料に使わない)。また現在、単純計算だと欧州値格の約4倍で購入しているであろうガスを出来るだけ、アメリカ産に切り替えたり、値下げ交渉をするなら、「3兆円」の燃料費増は、かなり圧縮できると思います。

そして、火力発電所を新設の火力発電所に更新するならコストパフォーマンスは、大きく改善されると思います。一時的に、新規のガスまたは石炭火力発電所の建設費用は、発生しますが火力発電所のかなりの部分が、設備の更新時期に来ている事を考えるなら、特別な出費にはならないと思います。燃料「3兆円増」を言うのなら、このような説明もしてもらいたいと思います。燃料購入費「3兆円増」をわめくのではなく、いかにしたら「3兆円増」を減らせるのかを考えるべきです。中期的に見れば、逆に発電コストをトータルで、現在より引き下げられる可能性すらあります。

(6)エネルギー価格の推移
[PDF]
原発停止「負担増3兆円」のリスク試算 - みずほ総合研究所
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/opinion/eyes/pdf/eyes121205.pdf
燃料費
原発  1円(kWh)
LNG 11円(kWh)
石油燃料17円(kWh)
石炭  記載ナシ

電源別発電コスト
(ただし、この資料については資源エネルギー庁の資料で確認しておりません)
平成11年12月総合エネルギー調査会第70回原子力部会において、一定の前提の下に行ったモデル試算
資源エネルギー庁資料 2005年
http://homepage2.nifty.com/DFT/data19.htm
2005年度試算(燃料費)
【原子力】1.65円/kWh
【石油火力】6.5円/kWh
【LNG火力】3.8円/kWh
【石炭火力】2.6円/kWh


燃料価格の推移
石炭
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pcoalau.html
2004年
石炭56.73単位: USドル/トン
2005年
石炭51.02単位: USドル/トン
2011年
石炭130.12単位: USドル/トン
2012年
石炭104.80単位: USドル/トン

天然ガス価格の推移
http://ecodb.net/pcp/imf_group_ngas.html
※日本は液化天然ガス価格のため、比較対象から除外
2004年アメリカ212.69→2011年143.98→2012年94.23
2004年欧州135.18→2011年381.48→2012年433.76
単位: USドル/1000m3
天然ガス価格(日本)の推移
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pngasjp.html
2004年147.96→2011年327.24→2012年387.43
単位: USドル/m3


原油価格(WTI)の推移
http://ecodb.net/pcp/imf_usd_poilwti.html
2004年41.44単位: USドル/バレル
2005年56.44単位: USドル/バレル
2012年95.48単位: USドル/バレル
 
関係資料掲載記事
http://gydr5730ujirfwldi75632vdrw.blogspot.jp/2012/12/20121211.html
http://gydr5730ujirfwldi75632vdrw.blogspot.jp/2012/12/20121211_11.html
http://gydr5730ujirfwldi75632vdrw.blogspot.jp/2012/12/20121211_1760.html



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