「北の山・じろう」時事問題などの日記

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【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】 「円安で貿易赤字解消」は幻想だ

日刊ゲンダイ
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【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
「円安で貿易赤字解消」は幻想だ
2013年2月22日
http://gendai.net/articles/view/syakai/141099
▼全文転載

暮らしに負担

1月の貿易赤字が単月として過去最大に膨らんだ。輸入額から輸出額を差し引いた貿易収支は1兆6294億円の赤字。麻生財務相は「このまま続くと日本にとって大きな問題なのは確か」と、7カ月連続の赤字に危機感を示していた。

 正月休みで生産が落ち込む1月は、もともと貿易収支が赤字になりやすい。これまでの最大の赤字額も、昨年1月の1兆4815億円だ。それにしても、今回は巨額である。

 一部では円安が進めば輸出が増えて貿易赤字が解消される、との期待もあるようだ。急ピッチの円高が日本製品の国際競争力を低下させた。円安になれば、価格面の不利が解消され、市場で存在感を示せる。そんな見通しもあるようだ。

 輸出が活発になれば、国内の輸出関連企業の業績が上向いて、国民所得も増え、経済は回復していく。そんなシナリオもささやかれているが、完全に幻想だ。

 円安がプラスに働くのは、安倍晋三首相の父・晋太郎氏がご存命だったころまで。すでに日本経済は円安がプラスに働く体質になっていない。

 失われた20年の間、日本企業はどんどん海外に展開した。生産は現地で行い、そこから第三国に輸出したり、日本に逆輸入したりするパターン。産業構造はかつてと様変わりしている。

 だとすれば、円安はプラスではない。むしろ国民の暮らしにはマイナスだ。

 ガソリン価格は毎週のように上昇しているし、小麦粉やチーズなど輸入に頼る食料品も軒並み上がる。牛や豚、鶏の飼料も輸入頼みだ。国内産の牛乳や肉も値 上がり。その上、来年4月になれば、消費税の負担増まで乗ってくる。ただでさえアップアップの国民は、暮らしていけない。

 さすがに安倍首相も、工業製品の輸出だけで景気が何とかなるとは思っていないらしい。産業競争力会議で、「農業を成長分野の産業として伸ばしたい」と話 したそうだ。それは結構なことである。地方には郷土色豊かな高品質の農産物がたくさんあり、どんどん輸出してもらいたい。TPP参入の地ならしだとして も、本腰を入れるのなら賛成だ。ただ、具体策はサッパリ見えない。

 経済が成熟した日本で、国民の暮らしを豊かにするには、かなりの知恵が必要だ。
【高橋乗宣】



日刊ゲンダイ
【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
バブル後に始まる「失われた50年」
2013年2月15日
http://gendai.net/articles/view/syakai/140982
▼全文転載

GDP伸び率は右肩下り

内閣府が14日に発表したGDP速報値によると、2012年10―12月期は実質で前期比0.1%減、年率換算で0.4%減となった。マイナス成長は3四半期連続で、景気は弱含みの姿となっている。

 それでも最近の株価上昇もあり、危機感は和らいでいるようだ。日銀も13、14日に開いた金融政策決定会合で、景気判断を「弱めに推移している」から「下げ止まりつつある」に引き上げた。上方修正は2カ月連続である。

 ただ、GDPを前年同期比で見ると、成長率は右肩下がりだ。前期比の3連続マイナスは0.2%減(4―6月期)、1.0%減(7―9月期)、0.1%減 (10―12月期)とわずかな落ち込みに見えるが、この間の前年同期比は3.8%増(4―6月期)、0.4%増(7―9月期)、0.3%増(10―12月 期)である。伸び率はガクン、ガクンと落ちているのだ。
 個人消費は、より顕著である。10―12月期の前期比は0.4%のプラスとなったが、前年同期比で見ると4―6月期の3.1%増から1.3%増、 1.1%増と4半期ごとに勢いを失った。設備投資も、7.3%増、1.5%増、8.7%減とつるべ落としだ。前期比で3.7%減の輸出も、前年同期比だと 5.7%減だ。
 これらの数字を見れば、景気はかなり危険な状態と分かる。株式市場は盛り上がっていても、実体経済は伴っていない。今の相場を支えているのは、低金利政 策が長期化すると見込んだファンドマネーと、久しぶりの株高に前のめりになっている個人投資家だ。とすれば、典型的なバブルである。ちまたでは「アベノミ クス」と持ち上げられているが、実態は「アベノバブルス」ではないか。7月の参院選まで膨らんでいくのだろうが、参院選が終わった後も続くとは限らない。
 90年代半ばから、輸出関連企業は駆け足で生産拠点を海外に移してきた。そういう構図の中で円安が続いても、企業のメリットは少ない。むしろ、そうでな くても負担が増えているエネルギー関連の支出が増え、アップアップとなる公算は大だ。生活必需品、食料品も値上がりする恐れが強い。国民は大変である。
 アベノバブルスの行き着く先は、バラ色ではない。参院選後の日本は、「失われた50年」となりかねないのである。


日刊ゲンダイ
【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
規制改革で産業は再生しない
2013年2月8日
http://gendai.net/articles/view/syakai/140884
▼全文転載

個人が犠牲になる恐れ

安倍首相は「金融緩和」「財政政策」「成長戦略」を経済政策の3本の矢と位置づけているらしい。金融緩和は、日銀に圧力をかけて追加緩和をのませている。財政政策は、予算案の成立を待って公共事業に大盤振る舞いする予定だ。

 それに比べて不透明なのは、3番目の成長戦略である。どうやって日本の産業力を伸ばし、経済を活性化させるのか見えてこない。

 規制改革会議や財政諮問会議では、規制改革を「成長戦略の一丁目一番地」と発言しているようだ。「雇用」「エネルギー・環境」「健康・医療」の3つを重点分野として、現行の規制を見直すとしている。

 さて、こうした取り組みは、本当に経済を成長させるのだろうか。

 例えば、電力会社の発送電分離は民主党政権時代から検討されてきた。送電網を開放すれば、新規事業者の参入も容易になる。それによって地域独占が崩れ、競争が本格化すれば、利用者は安い料金で電力供給を受けられるようになるはずだ。そのメリットは大きいだろう。

 ただ、それによって日本の産業活力が再生されるとは思えない。電力料金は製造業にとってバカにならないコストである。安ければ安い方がいい。だが、その ことと「日本経済の再生」「産業活力の復活」は、ダイレクトにつながるものではない。規制を外せば経済が伸びるというのは、あまりに短絡的である。

 旗振り役が慶大教授の竹中平蔵氏というところも気がかりだ。米国流の自由競争社会を礼賛し、小泉構造改革を主導した人物である。規制緩和の名の下に、貧困格差を拡大させた張本人。成長戦略を口実に、再び個人が犠牲になる恐れは強い。

 実際、今回の規制改革でも、雇用は重点分野となっている。ホワイトカラーの労働時間規制を外したり、解雇のハードルを下げたりする改革が導入される公算は大だ。こんなことで日本経済が立ち直るわけがない。

 小泉政権の規制緩和では、特定の企業だけが甘い汁をすすったとされる。「平成の政商」と批判される経営者も話題になった。そんな規制改革を再びやるのだとすれば、国民の支持は得られない。
【高橋乗宣】

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