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低賃金で「世界の縫製工場」 価格競争しわ寄せ 安全軽視
2013年4月29日 朝刊
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【バンコク=寺岡秀樹】死者が三百七十人を超える惨事になったバングラデシュのビル崩壊事故。「世界の衣料品工場」といわれるバングラデシュは中 国に次ぐ世界二位の縫製大国だが、これまでも縫製工場で崩壊事故や火災が多発、多くの労働者が犠牲になってきた。職場の安全が守られない背景には、国際的 な価格競争のしわ寄せなど、構造的な問題が指摘されている。
地元の全国衣料労働者連合代表は「政府や工場経営者らが労働者の安全確保に真剣に取り組んでいたら事故は避けられた」と述べた。
今回の事故が起きた場所では二〇〇五年にも縫製工場が崩壊して七十人以上が死亡。昨年十一月には首都近郊の縫製工場から出火し、百十一人が死亡し た。米人権団体「国際労働権利フォーラム」によると、バングラデシュでは一九九〇年以降、縫製工場の安全性不備から千人超の労働者が死亡したという。
高成長を続けるバングラデシュ経済を支えるのは縫製業で年間輸出額の約八割を占める。米ギャップやユニクロなど世界的なカジュアル衣料ブランドのメーカーが低賃金などを理由に進出し、約五千の工場で計三百万人以上が働いている。
英国の慈善団体幹部は、ロイター通信に「低価格を実現したい国外メーカーは工場にコスト削減を求めるため、工場側は(安全面などの)経費を削減せ ざるを得ない」と現状を説明する。ただ、国外メーカーから委託された納入業者が、メーカーの承諾なしに労働環境が劣悪な工場に下請け発注するケースがあ り、実態は複雑だ。
労働組合の加入も制限され、月額四十ドル(約三千九百二十円)未満で、長時間労働を強いられるケースがあるという。英国の慈善団体は「これ以上、労働者の不要な死を招かないよう職場環境の安全性確保を求める」と訴えている。
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