ふるさとのエネルギー:横浜市磯子区 Jパワー石炭火発 世界トップの環境技術 /静岡<毎日新聞
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ふるさとのエネルギー:横浜市磯子区 Jパワー石炭火発 世界トップの環境技術 /静岡
毎日新聞 2013年02月13日 地方版
http://mainichi.jp/feature/news/20130213ddlk22040154000c.html
▼全文引用
東京湾に面した横浜市磯子区。横浜ランドマークタワー(同市西区)から約6キロしか離れていない都市部 に、世界トップレベルのクリーンさを誇る石炭火力発電所がある。Jパワーの磯子火力発電所。構内にある展示施設「ISOGOエネルギープラザ」の池杉守館 長(58)は「発電効率の高さや環境技術は『世界の磯子』と呼ばれる」と最先端の技術を説明し、石炭火力発電の可能性を語る。【山田麻未】
−−明るくきれいな施設ですね。
石炭というと、蒸気機関車の黒い煙が出るイメージがあるかもしれませんが、ここの煙突から黒い煙が出る ことはあり得ません。酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)は99%以上、光化学スモッグやぜんそく発症の原因となる窒素酸化物(NOx)は90%以 上、ばいじんはほぼ100%除去されています。これらの排出率は、「環境先進国」のイメージがある欧州各国など主要先進国の火力発電所と比べても、圧倒的 に低いんです。
−−世界最高水準の技術なんですね。
業界では「世界の磯子」として通っていて、今年度は、アジアを中心に世界各国の政府関係者や業界関係者ら4000人以上が視察に訪れています。発電所が清潔で、煙も石炭も見えないことに、見学者は驚いています。
−−石炭というと過去のエネルギーのイメージがあります。
国内炭がほぼ採掘されなくなったことから、そういうイメージがあるのでしょう。しかし実際は、日本の電 力の約3割、世界の電力の約4割が石炭火力発電によって賄われています。石炭の可採年数は石油や天然ガスの約2倍で、価格も安定しています。また、政情が 安定した国を中心に、世界中に広く分布しているため、エネルギー安全保障上のメリットもあります。
−−石炭火力発電の課題は何ですか?
二酸化炭素(CO2)の排出です。磯子火力では、蒸気の圧力や温度を超々臨界圧という極限まで上昇させ ることで、高い発電効率を実現しています。一方、CO2の主要排出国である米国、中国、インドの発電効率は低く、この3国の石炭火力発電を磯子火力と同じ 施設に置き換えると、日本のCO2総排出量より多い約13・5億トンのCO2排出削減効果があると試算されます。今後は、インドネシアに発電効率の高い石 炭火力発電所を建設する予定もあります。我々の技術によって、アジアの成長や低炭素社会の実現に役立ちたいと思っています。
◇50年前に市と公害防止協定
磯子火力発電所の旧1号機は1967年、旧2号機は69年に運転を開始。09年までに新1・2号機が完成した。総出力は計約120万キロワット。横浜市 を中心として、首都圏の電力需要に対応している。東京湾内にある13の火力発電所のうち、唯一の石炭火力発電所。大都市に立地する石炭火力発電所は、世界 的にも珍しい。64年に横浜市と結んだ日本初の公害防止協定は、全国の公害行政に大きな影響を与えた。東日本大震災と福島第1原発事故の後、国内外から視 察に来る人が増加している。
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