「北の山・じろう」時事問題などの日記

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社説:原子力政策 この決め方はおかしい<毎日新聞 2013年11月04日>

毎日新聞
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社説:原子力政策 この決め方はおかしい
毎日新聞 2013年11月04日 02時40分
http://mainichi.jp/opinion/news/20131104k0000m070099000c.html

▼全文転載

 

 日本の原子力政策の基本方針は半世紀以上、国の原子力委員会が策定してきた。以前は「長期計画」、最近は「原子力政策大綱」として、ほぼ5年ごとに見直されてきた。

 福島第1原発の過酷事故後、原子力委の在り方を見直している国の有識者会議は、この「大綱」を廃止することで大筋合意した。今後は、経済産業省が検討中の国のエネルギー基本計画の中に盛り込まれることになる。

 原子力政策は国のエネルギー政策全体の中に位置づけるべきで、その点では合理的だろう。ただし、ここには大きな問題が残されている。このままだと原子力政策が経産省主導で決定されることだ。原発推進の組織に政策決定をゆだねてしまうとすれば、事故の教訓が生かされない。

 原発事故後、民主党政権は関係閣僚で作る「エネルギー・環境会議」を設置、国民の意見を聞いた上で、 「2030年代に原発ゼロ」を目標に掲げた。原発新増設を認めず、運転期間を40年とすることも盛り込んだ。その上で、脱原発派を3分の1入れた委員会で エネルギー基本計画の策定を始めた。十分とは言えなかったかもしれないが、政策の決め方を含め、変革を進めようとする動きは評価できた。

 ところが、安倍政権はエネ・環会議を廃止し、「原発ゼロ」を白紙に戻した上で、脱原発派の多くを排除し た経産省の審議会で年内に基本計画をまとめようとしている。ここでは推進派の声が強く、事故を経て原子力政策のどこがどう変わるのかが見えてこない。「原 発依存度を減らす」という基本方針は維持されているはずなのに、そのための具体策も見えない。核燃料サイクルについても本質的な議論はない。一方で、「原 発維持」や「建て替え」容認を求める声は強い。

 あたかも、原発事故などなかったかのような議論に驚く。

 加えて問題なのは、国民の声がどう反映されているのかがわからないことだ。原発事故の反省のひとつは、 排他的な原子力ムラの中で物事を決定したことだ。にもかかわらず、メンバーの選定基準さえ不透明な審議会方式による政策決定の方式が変わらなければ、また 同じ過ちを繰り返すことになる。

 経産省は基本計画に原発比率など電源の構成比率を明記しない方針だ。そうなれば、基本計画は「現状維持」のメッセージとなり、変革の足をひっぱるだろう。結果的に原発依存に逆戻りしかねない。

 国民は原発政策を安倍政権白紙委任したわけではない。国民の意見を取り入れた透明性の高い決め方でエネルギー政策を見直すべきだ。

 

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