「北の山・じろう」時事問題などの日記

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災害FM発希望の調べ(下) 福島・郡山市、富岡町<東京新聞2014年3月>

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災害FM発希望の調べ(下) 福島・郡山市、富岡町
2014年3月14日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2014031402000152.html

▼全文転載

 東京電力福島第一原発から十キロ前後にあり、避難を強いられている福島県富岡町の住民。郡山市富田町の仮設住宅で暮らす富岡町の人々が集う町社会 福祉協議会(社協)の生活復興支援センターで、職員らがギターを弾きながら歌い始めた。時折開かれる「歌声喫茶」の冒頭とラストは「夜(よる)の森」とい う曲だ。富岡町の名所として知られる夜(よ)の森地区の桜を題材にした歌だ。センター内にある臨時災害FM(臨災局)「おだがいさまFM」からも流れてく る。

 町北部の夜の森地区の約二・五キロにもわたって続く桜並木が満開となる四月、道を覆うように花が咲く。町民が誇る圧巻の光景だ。「夜の森」を口ず さんでいた元会社員・志賀清民さん(60)は「自分たちが見てきた桜は色が違うんだ」、獣医師の渡辺忠道さん(84)は「自宅近くは桜のトンネルになる」 と桜自慢に熱を帯びる。しかし、家に戻れない人が多い現実が重くのしかかる。「心の中では家に帰りたいと思うのに…」と無念がにじむ。

     ◇

 「夜の森」を手掛けたのは、ヒップホップの「TOKYO No.1 SOUL SET」や福島県出身者の「猪苗代湖ズ」などのグループで活躍する 渡辺俊美(47)=写真。隣の川内村に生まれ、五歳から富岡町に住み、あの桜を毎年見てきた。「歌で応援し、元気や勇気を与えることも大切だが、言葉に出 せない思いを表現することも必要」と感じ、作った。「希望の種に」と念じ、富岡の人たちの願いを穏やかなメロディーに包んで歌う。パーソナリティーを務め る臨災局の番組「としみのとしみ」(水曜午前十一時)のテーマ曲でもある。

 月二回スタジオで収録。明るく楽しい番組を目指し、仮設住まいの人が出演したり、富岡ゆかりの遠方の人と電話で話したり…。「町の人のコミュニケーションの場でありたい」とマイクに向かっている。

     ◇

 「おだがいさまFM」は東日本大震災から一年後の二〇一二年三月十一日、富岡町からの避難住民を対象に開局。運営は社協が務める。局の「原点」は 一一年五月、避難先の多目的ホールビッグパレットふくしま」(郡山市)で始めた館内向けのミニFMだ。ある時、ちょっとしたユーモアが流れ、避難所から 笑い声が響き渡った。「笑ったら不謹慎という雰囲気があったが、みんな求めていた」と、社協職員で開局に尽力した吉田恵子さんは振り返る。段ボールで区 切った放送ブースには、大勢の人が集まってきた。

 「富岡にいたら黙っていても入ってくるような身近な情報を放送で扱う」と吉田さん。仮設住まいでストレスを抱え、ふさぎ込む人も少なくない。だか ら、番組には町民が出演し、身辺のことを富岡のイントネーションで話してもらう。死を考えていたという高齢の男性がたまたま聴き、「明日も聴こう」と生き る支えになったという例もあった。吉田さんは臨災局の役目を「生きがい対策づくり」と話し、インターネットでも聴けることから「散り散りになった住民を結 びつける」ことの大切さを強調する。

     ◇

 避難所のミニFM時から携わり、歌とトークで希望を届ける渡辺。「夜の森」はソロアルバム「としみはとしみ」(一二年発売)に収録し、「歌い継がれることでいろいろな意味を持つ曲」と、ライブでロック調で歌うなどしている。

 歌の持つ力を分かっていても、原発事故で帰宅できない地域住民の怒りや悲しみ、不安を考えると「福島で歌うことは、今もハードルが高い」。富岡の人としての胸中も交錯する。

 約二・五キロの桜並木のうち、立ち入りできる区域はわずか。震災前、町民が年中手入れして咲かせてきた桜の荒れ具合が心配にもなる。それでも渡辺 は「夜の森」を前向きな内容に仕上げた。それを歌い続けて「国に対策をきちんと考えてほしいというメッセージになれば」と切望する。「希望の種」はいつ か、あの桜のように見事に開花することを信じて。 (藤浪繁雄)

 おだがいさまFM 2012年3月11日開局。76.9メガヘルツ。月-金曜は午前8時、正午、午後5時30分から生番組がある。圏外でもネット の「サイマルラジオ」などで聴取できる。「としみのとしみ」は、ラジオ福島でも水曜午後9時、臨災局の南相馬ひばりFMでも水曜午後1時から放送。「おだ がいさま」は方言ではなく、「お互いさま」をさらに温かく感じさせるため「だ」としたという。

 

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