「北の山・じろう」時事問題などの日記

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災害FM発希望の調べ(中) 宮城・山元町<東京新聞2014年3月>

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災害FM発希望の調べ(中) 宮城・山元町
2014年3月12日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2014031202000160.html

▼全文転載

 宮城県の東南端、太平洋に面した山元町津波による六百人を超す犠牲者には、二台の広報車で避難を呼びかけていた四人の男性町職員が含まれる。町 内五十カ所に設置した防災無線スピーカーは津波で流されてしまった。メディアの取材は、被害が甚大だった県北部に集中し、“情報過疎”に不安を募らせた町 民たち。そんな窮状に一筋の光明を灯(とも)したのが、震災から十一日目に産声を上げた「りんごラジオ」だった。

 町の看板であるホッキ貝の養殖、イチゴ栽培津波で壊滅的な打撃を受けた。無傷で済んだのが、山あいに畑があり、県内一の収穫高を誇るリンゴ。終 戦直後、並木路子さんらが歌って大ヒットした「リンゴの唄」は明るい戦後復興ソングとして、多くの国民の心を癒やした。局長の高橋厚さん(71)は「町の 復興にもつながるとの思いから、開局前夜に名前を決めました」と明かす。

 高橋さんは東北放送(本社・仙台市)のアナウンサー出身。定年退職後、里山暮らしにあこがれて、仙台から移住。中学校や公民館で話し方教室を開 き、総合計画審議会のメンバーにも名を連ねて町に溶け込んだ。二〇〇三年に隣町で開いた「災害とコミュニティーラジオ」のシンポジウム。ここで知り合った 新潟県のFM局幹部から放送機材を借り受け、電話回線復旧の五日後、役場の一階で開局した。「ゼロからのスタート」としては異例の早さ。それでも高橋さん は「震災直後に開局していれば、もっと多くの命を救えたかもしれません」と無念そうに話す。

     ◇

 「りんごラジオ」のモットーは、町の情報をくまなく伝えることで、すべての番組が自主制作。中継スタッフが機材を持って町内を回り、住民へのイン タビュー、スーパーの買い物情報などを流す。高齢化率が県内の自治体で四番目に高いことから、健康情報への目配りも怠りなく、夕方には子どもたちを招い て、学校生活の様子などを語り合ってもらっている。「子どもたちの元気な声がお年寄りには大きな力になる」との思いから始めた企画だ。

 屈指の人気番組は町議会中継。NHKの国会中継よろしく、解説も交えての本格放送で、紛糾して閉会が遅れれば放送時間も延長する完全中継でもあ る。年明けには、町会議員全員を日替わり出演させ、一年の活動を自己採点してもらう。今後、四月二十日投票の町長選に向け、立候補を表明した現町長と元町 長を呼び、じっくりと政策を聴く方針。これらをすべて仕切るのが高橋さん。放送局時代、報道番組のニュースキャスターを務め、取材で全国を飛び回った経験 が生きた。「復興の大きなカギを握るのが町政。非常に大きなやりがいを感じています」

 毎日、放送開始時と終了時に「リンゴの唄」が流れる。当初は並木さん、霧島昇さん、美空ひばりさんらの歌声だったが、局内から「町民自身の歌声の 方が、もっとしっくりくるのでは」との声が上がり、町内最古のコーラスグループ「どらごえサークル」が担当。平均年齢六十歳の男女十二人がピアノ伴奏に 乗って明るい声を響かせている。代表の吉田和子さん(53)は「家族を失ったり、家を流されたりしたメンバーもいます。歌うことでわれわれ自身が励まされ ました。多くの町民の励ましにもなれば、こんなにうれしいことはありません」と話す。

     ◇

 山元町は今も千八百人が仮設住宅で暮らしている。交通の動脈、JR常磐線の町内での運転再開は一七年春の見通し。雇用の場が少なく、人口流出にも 歯止めがかからないなど町を取り巻く環境は厳しい。高橋さんは「ラジオは最も手軽で、身近な存在。予算の制約からスタッフの数も限られ、体力的には大変で すが、これからも被災者のみなさんの気持ちをくみ、日常を自然体で伝えていきたい」と意気込む。仮設住宅の入居者がいなくなる一六年三月末まで放送を続け ることが目標だ。 (安田信博)

◆リンゴの唄

作曲・万城目(まんじょうめ)正

赤いリンゴに 口びるよせて

だまってみている 青い空

リンゴはなんにも いわないけれど

リンゴの気持ちは よくわかる

リンゴ可愛や 可愛やリンゴ

JASRAC 出1402357-401)

<りんごラジオ> 2011年3月21日開局。80・7メガヘルツ。現在の局舎は、町役場の仮設庁舎のわきにあるプレハブ小屋。スタッフは局長以下 9人。放送時間は午前9時から午後6時。時間外にはBGMを流している。圏外でもインターネットの「サイマルラジオ」などで聴ける。

 

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