「北の山・じろう」時事問題などの日記

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この国と原発:第3部・過小評価体質/6止 安全目標、たなざらし <毎日新聞>

★これで2011年分は、終了です。

毎日新聞
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この国と原発:第3部・過小評価体質/6止 安全目標、たなざらし
毎日新聞 2011年11月03日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20111103ddm002040052000c.html
▼全文転載

(1)
 ◇リスク受忍、どこまで

 「原子力を利用する事業活動には、エネルギー確保などの便益がある一方、広範囲にわたる放射性物質の放散などを伴う事故が発生する可能性という、国民の健康や社会環境に大きな影響を及ぼすリスクが潜在することは否定できない」

 まるで、東京電力福島第1原発事故を予測していたかのような表現で始まる報告書がある。03年12月、原発の「安全目標」を検討していた原子力安全委員会の専門部会が出した「中間とりまとめ」だ。

 安全目標は「想定外」に備え、大事故が起きるリスクをどこまで小さくすれば十分かを判断する「道具」 だ。中間とりまとめは案として「原発事故の被ばくで死者を出す危険性を年100万分の1以下に抑える」と提示。導入されれば、国は電力事業者に対し、数字 を基にリスク低減を求める規制を実施できる。「リスク発生の確率が高ければ対策を求める声が高まり、議論につながり透明性も向上する」(原子力安全委事務 局)という。

 欧米では、79年の米スリーマイル島原発事故などを受け、安全目標の導入が進んだ。英国やカナダ、オラ ンダなどが個別の原子炉の規制に活用するなど、安全目標策定は「世界標準」になっている。国内では、99年のJCO臨界事故をきっかけに注目され、原子力 安全委は00年の原子力安全白書で、安全目標の検討を表明した。

(2)

 中間とりまとめは、数字の意味を考える参考として「交通事故で死亡する危険性は年1万分の1」などのデータも示し、国民的議論の必要性を訴えた。ところが、その後は議論が進まず、いまだに「案」のままだ。

 たなざらしとなった理由について、原子力安全委事務局は「地震を確率で安全評価する手法が未成熟だった ことなどが主な要因」と説明する。だが、元専門部会委員は「とにかく日本のみなさんはリスクを言うのが嫌い。大きな事故が起こる確率のことを。事故は起き ませんというのが好き。問題があったから導入できなかったというのではない。それなりの力学、因縁があった」と、導入に反対する動きが強かったことを示唆 する。

 過小評価してきたリスクが今、福島第1原発事故で白日の下にさらされた。専門部会の部会長を務めた近藤 駿介・原子力委員長は「福島の事故で最大の問題となったのは土地の汚染。土地を汚染したら、人間が暮らしていけなくなる。安全目標は土地の汚染が発生する リスクも指標にしてはどうか」と話す。

 原子力安全委の班目(まだらめ)春樹委員長は安全目標について、10月24日の会見で「来春に原子力安全庁ができれば安全委は改組される。来年の3月31日までには課題の整理くらいはやりたい」と述べた。

(3)

 原発事故のリスクをどこまで受け入れるのか。住み慣れた家、故郷に長期間住めなくなる人が出るリスクを受け入れてまで原発を続けていくのか。今後、具体化する安全目標の議論は、電気を使う一人一人に重い問いを投げかける。=おわり

     ◇
 この連載は永山悦子、河内敏康、奥山智己、町田徳丈、八田浩輔、岡田英が担当しました。

(毎日新聞・連載特集)
この国と原発 アーカイブ(2011年)
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