アルメニアVSアゼルバイジャン>ナゴルノ・カラバフ紛争を振り返ってみると<2023年10月
アルメニアが断交試み ナゴルノめぐりロシア外務省
2023年9月26日 10:32 発信地:モスクワ/ロシア [ ロシア アゼルバイジャン アルメニア ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3483295?cx_part=related_yahoo
ナゴルノ・カラバフ紛争を振り返ってみると
ニュースからは、分からない色々な問題が見えてきます。
問題の誤魔化しがあります。
必ず出てくるのが、「係争地ナゴルノカラバフ」です。
ほぼ、どのメデイアでも見られるフレーズです。
それが、正しいのかどうかは一旦脇に置いて・・・
どうして30年以上もアルメニアは、アゼルバイジャンに軍事侵略してそれを継続してきたのかを考えてみます。
まず軽く見落とされているのが、アルメニアは過激民族主義者に乗っ取られた国であることです。他民族を排斥し他国を軍事侵略するのは、過激民族主義者であり長期間侵略戦争を継続するのは軍国主義の証明です。
アルメニアの侵略戦争を支えてきたのがロシアです。今では、アルメニアは人口約296万人、国土面積29,800km2の小さな国です。北海道の面積が、83,450 km²です。人口が528万人。面積で見ても人口で見ても北海道の半分くらいのサイズです。
一方でアゼルバイジャンは・・・
人口が1013万人。面積が86,600km2。アルメニアよりは、大国です。
普通、これだけ差があれば30年以上もアルメニアが軍事侵略を継続するのは無理だと思います。軍事費も武器も調達できないでしょう。それが出来たということは、ロシアの支援や援助がかなり大きかった事を示唆しています。
旧ソ連崩壊後、アゼルバイジャンは国内が混乱の極みにあり軍事組織もほぼありませんでした。一方でアルメニアは、ある程度の軍事組織がありました。だからある時期まではアルメニアが優勢に侵略戦争を継続することが出来ました。
その後アゼルバイジャンの方も国内の混乱が収まりトルコに支援を受けて軍事力も強まります。アゼルバイジャンにしてみると、「臥薪嘗胆」の思いで自国が強くなるのを待ったと思います。
2020年ナゴルノ・カラバフ紛争
この戦争でアゼルバイジャンは、長年アルメニアに占領されていたアゼルバイジャン領を奪還しました。そうなるとナゴルノ・カラバフ地区はアゼルバイジャン領に取り囲まれたアルメニアとは切り離された土地になります。
その時は、ナゴルノ・カラバフ地区はまだアルメニア系武装勢力に支配権がありました。しかしナゴルノ・カラバフ地区がアゼルバイジャンに封鎖されてしまうとアルメニアも軍隊を送り込むことも出来ず、アルメニア系武装勢力は孤立しました。
ナゴルノ・カラバフ地区の安全を担保するためにロシアが2000人の平和維持部隊を駐留させました。
実質的に2020年戦争でアルメニアは、アゼルバイジャンに敗北して後は、ナゴルノ・カラバフ地区をどのように取り扱うかの問題になりました。
ロシアは、この時点でナゴルノ・カラバフ地区の管理を最終的にアゼルバイジャンに戻すことを決定したと思います。すぐにそうすれば、ナゴルノ・カラバフ地区で酷い流血沙汰が起きることは、分かり切っていますから先に延ばしたと思います。
さすがに戦争がアゼルバイジャンの完全勝利に終われば、ロシアもこれを覆すことは出来ないでしょう。やるとすればロシアが直接アゼルバイジャンと戦争するしかありません。ロシアは、アゼルバイジャンとは仲が悪くもなく普通の関係です。そして戦争に直接加担すれば、トルコと間接的に戦争することになります。
だから、ロシアがナゴルノ・カラバフ地区に関与するのは、アルメニア系武装勢力とアゼルバイジャン軍の戦闘を防止し、住民を保護することだけです。
2020年の戦争終結から大分、時間がたち周辺環境も落ち着いてきました。そこでロシアとアゼルバイジャンは、アルメニア抜きで話し合いを持ったと思います。内容を推測すると?
ナゴルノ・カラバフ地区の住民に危害を加えない(報復は行わない)」
等であろうと思います。
要は戦勝国であるアゼルバイジャンの主張を全面的に受け入れて、ロシアが最終解決策を決めたということです。
ロシアも気違いじみたプロパガンダを繰り返し、これまでのロシアの膨大な支援や援助をないがしろにして、アメリカと天秤にかけようとするアルメニアの二股膏薬には、結構ブチ切れたと思います。アルメニアが、そうしたからロシアもナゴルノ・カラバフ地区をアルメニアから切り捨てやすかった部分もあります。
どうにもならないからロシアは、「大人の解決」を図ったと言えます。
それでも戦争に負けたアルメニアは、「ロシアが裏切った」と言います。
そもそもロシアが支援して援助しなければ、戦争はもっと早くアルメニアの敗北で終わっていたでしょう。その場合は、アゼルバイジャンのアルメニアに対する報復は、かなり苛烈なものになっていたかもしれません。
ナゴルノ・カラバフ地区の反政府武装勢力や住民にとってみれば、報復的残虐行為が避けられただけ運が良かったというべきです。そして何が何でも逃げ出す必要もないと思います。多少の不利益はあるでしょうがアゼルバイジャン政府がアルメニア系住民を弾圧したり迫害したりは、しないと思います。
「民族浄化」を言い立てて、勝手にアルメニア系住民がアルメニア領に逃亡したように見えます。「民族浄化」のプロパガンダが行き届いていたのでしょうね?
結果見えてくることは、過激民族主義者が国を乗っ取ると軍国主義がはびこり対外戦争を引き起こすという事です。対外戦争は、大抵侵略戦争です。
セルビアもそうでした。過激民族主義者がセルビアを乗っ取り民族浄化的な残虐行為を含む侵略戦争を遂行しました。
今のロシアも似ています。独裁者が戦争を遂行していますが、その手足となっているのは、やはり過激民族主義者です。
過激民族主義者は、世の害悪と言えます。
最終的に30年以上の長きにわたって続いたアルメニアの過激民族主義者の引き起こしたナゴルノ・カラバフ紛争の幕を引いたのは、同じく過激民族主義者が国を乗っ取ったロシアであるのは、皮肉な話です。
2023-09-26
アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ紛争についての欧米の偏向報道への疑問<2023年9月
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