「北の山・じろう」時事問題などの日記

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ウクライナ紛争(民主主義国家と独裁国家)

ウクライナ紛争を見ていると、第二次世界大戦との類似性を想起します。
現在のロシアは、プーチン帝国と言う独裁国家です。
ウクライナは、自由選挙で国の指導者を選び外に向かって開かれている国です。そこには民主主義と自由主義があります。それは、現在の世界の政治の考え方の基準です。そうである国はそれなりに繫栄し、そうでない国は貧困と国内秩序の不安定により繫栄することが出来ません。

ウクライナ紛争を見ると?
独裁国家は、諸外国から非難され国際社会から排除されつつあります。独裁国家が繫栄することは出来ません。ロシアがこれまで国内経済を立て直すことが出来たのは、旧西側陣営の諸国と貿易をし外貨を稼ぎ、それにより国内経済を安定させることが出来たのです。今のロシアは、資源を輸出する事しかお金を稼ぐことは出来ません。ロシア国内の製造業的産業は、ほぼ壊滅したと言っていいでしょう。輸出するような製品を作ることが出来ないという意味です。旧ソ連からプーチン帝国に続いた独裁主義的な国家運営が、国内産業と人的資源を滅ぼしたとも言えます。
まだ、旧ロシア帝国時代の方がましだったのでは、ないでしょうか?そう思えるくらいのロシアの衰退ぶりです。独裁主義国家の辿るべき運命を、プーチン帝国はあゆみつつあるように見えます。
現在では、戦時軍事独裁国家にしか外からは見えません。

一方、ウクライナはそれと正反対です。
ウクライナは、ヨーロッパの穀倉地帯と昔から言われるほど農業生産力の高い国です。豊かな広大な農地があります。代々のロシア政権がウクライナを占領し続けてきたのは、これと、もう一つロシアの海への出口であるクリミアの領土的安全性に大きく寄与するからです。

現在、ロシアに包囲され徹底的な攻撃を受けながらも防衛線を戦っているウクライナ南部の都市「マリウポリ」。なぜ、ロシア軍がここを占領したいか?
クリミアからウクライナ東部のロシアの占領地とを結ぶ回廊が出来上がるからです。
マリウポリ」を制圧したなら次の目標は「オデーサ(オデッサ)」です。もし、「オデーサ(オデッサ)」までロシア軍に占領されると、ウクライナは海への出口を失います。農産物の輸出国であるウクライナにとっては、生命線とも言える地域です。ウクライナの農産物は、ここから海路輸出しています。

話が横道にそれました。
自由主義と民主主義を国家運営の基準としているウクライナには、様々なメリットがあります。その一番大きなものは、西側諸国が支援し軍事物資・生活物資を惜しみなく援助してくれることにあります。そしてウクライナ政府の外交が成功し、国際社会全体がウクライナを支持してくれます。
それは、軍事=戦争における最も重要な、「兵站」が維持できると言うことです。
もし、ウクライナがロシアの支配下となれば、東欧諸国はロシアの恐怖に怯えることになります。NATOの安全にも大きな影響があります。
西側陣営とロシアの代理戦争の色彩が、はっきりしてきました。NATO全体の意見として「ウクライナのロシア支配は断固阻止する!」との合意が出来上がりました。
言うなれば、これを機会にロシアを徹底的に叩きのめす、と言う意味です。違う言い方をすれば、ロシアを徹底的に経済的に破壊し、二度と立ち上がれないようにすると言うことです。

戦争は残酷です。
日本やドイツの過去を思い出してください。
軍事的な占領もありましたが、経済的な壊滅的破壊を受けました。
しかし、その後東西冷戦が始まったため日本でもドイツでも国内産業の育成が戦勝国から許されました。その後の日本とドイツの復活した経済力と製造業は、東西冷戦における西側に大きく寄与しました。

今のロシアには、そのような戦後の環境はありません。
徹底的に経済的な破壊を受け、細々と資源を販売して暮らして行くことだけを許されるような国家と言う意味で生活するしかないような事になるように思います。
それどころか?軍事的に征服していた諸民族の独立運動が始まるかもしれません。ロシアには、100くらいの民族がいるそうです。ロシアの国土が広大であるだけに、中央政府が弱体化すれば、様々な内政上の問題が発生すると思います。

ロシアのGDPは、韓国の次の世界第11位だそうです。
今のプーチン・ロシアは、国力と言う意味で旧ソ連にも旧ロシア帝国にも遠く及びません。

その意味で、ロシアには「兵站」の問題が最初からあります。旧式の武器の在庫を使い切ると、その後武器を製造する事が出来ません。その生産力がないからです。また、現在の武器は、ハイテク化されています。半導体がなければ小銃と弾丸くらいしか作れません。
そして、世界中にロシアに武器を提供する国はありません。中国すら、ロシアへの軍事的な支援は拒否しました。
そうしなければ、今度は中国が国際的な経済制裁を受けるからです。

そのうちロシアは、ウクライナに侵略した遠征軍に武器も食料も補給する事すら出来なくなると思います。
消耗戦が長くなればなるほど、ロシア経済は衰退していきやがて破綻します。

プーチン帝国は、「蟻地獄」に落ち込んだアリのような状況です。あがけば、あがくほど?経済は衰退し、国内の物資は不足して行きます。

西側諸国(NATO)との代理戦争に挑んだのは、無謀としか言いようがありません。
負けた時の「罪と罰」を考えるなら、最初からするべきでは、ありませんでした。
ロシア軍の弱さとロシア経済の弱さが、証明されどこの国もロシアを恐れることは、なくなると思います。
旧ソ連軍のイメージは、単なるイメージで現在のロシア軍は、軍隊として極端に弱いと言うことを自ら証明してしまいました。それは、独裁国家の宿命です。改革や革新を封殺し、現状を維持し独裁者の地位を守ることに政治の目的がある国家は、単なる暴力的集団であり国家とすら言えないと感じます。それは、プーチン帝国の現状であろうと思います。

ウクライナ紛争は、プーチンの意図に反してNATOのロシア経済破壊を意図する代理戦争的な性質に変わる結果となりました。

もう、ロシア軍の勝利はありません。
しかし、ロシアの軍事侵攻の犠牲となったウクライナ人の命が戻ることもありません。プーチンと戦場で残虐行為を行った部隊指揮官と一部兵士は、戦争犯罪人として国際法廷で裁かれるでしょう。

ロシアにとって、更に悪いことがあります。
ウクライナ紛争でロシアの未来への希望を失いロシア国外に逃げ出したロシア人は、30万人にも及ぶそうです。その多くは、若い年齢層で知的労働者です。
その意味するところは?
ロシアの国内産業を担うべき人材が、次々と国外に流出しつつあると言うことです。

 

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社

 

www.jrc.or.jp